かたい足回りは若者だけのものにあらず。トヨタ ヤリスが考える“万人受け”の走りとは?
掲載 更新 carview! 文:塩見 智/写真:小林 俊樹 184
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コロナ禍によって新型「トヨタ ヤリス」のメディア向け試乗会は中止。媒体ごとに個別に貸し出されることに。先週末、ガソリンの上級グレードZとハイブリッドの中間グレードGに試乗した。9年ぶりの新型が変わったのは車名だけではなく、動力性能やハンドリングから燃費まで、走りのあらゆる部分が進化していた。
新型のデザインは大胆だ。フロントマスクは先代の面影を残しつつ、獰猛な顔つきとなった。気に入ったのはリアデザイン。リアウインドウ下のリアコンビランプ一体のガーニッシュが後ろへ一段、水平に飛び出しているのだ。それからリアフェンダーが力こぶのように膨らんでいる。「フォード Ka(カー)」を思い出す。なんというかフロント部分からまじめに描いてきたデザイナーが突如覚醒し、リアで弾けたように見える。アンバランスだからこそ心に残る。
何はともあれ走らせてみる。まずガソリンから。新開発された1.5リッター直3エンジンが搭載された。CVTとの組み合わせ。3気筒特有のエンジン音が聞こえてくるが、排気音のチューニングによって野太い系の音を立て、軽自動車のような安っぽい音ではなくしている。発進、中間加速、巡航の全域で不満なし。実によく走る。近ごろのCVTは加速しようとアクセルペダルを踏み込んだ時にまずエンジン音だけが高まるようなことはなく、踏み込み量(ドライバーの意思)と音の高まりと実際の加速がうまくリンクしているので、変速ショックのないATのように自然に走らせることができる。
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