かたい足回りは若者だけのものにあらず。トヨタ ヤリスが考える“万人受け”の走りとは?
掲載 更新 carview! 文:塩見 智/写真:小林 俊樹 184
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トヨタはヤリスをベストセラーにすべく、対向直進車(件数が多く問題視されている右直事故に対応)や右左折後の横断歩行者を検知する最新のトヨタセーフティセンスを最廉価グレード以外に標準装備とするなど、車格や価格からすれば大盤振る舞いといえる先進安全装備や快適装備を幅広く設定した。また人々が災害への備えに敏感な時代を反映し、停電時に発電機として使えるよう1500Wのアクセサリーコンセントをハイブリッド車にオプション設定した。
エクステリアは挑戦的で面白いのに対し、インテリアはイマイチに思えた。造形は凝っていて、小物を置くスペースをあちこちに上手に配置するなど実用的なのだが、渋い色使いと素材の質感がやや安っぽく見える。安い素材でもシボの入れ方などで安っぽく見せないのはトヨタ車の得意分野だったはずだが、ヤリスのインテリアからはそれをあまり感じられない。
もっと残念なのは、パーキングブレーキが電気式ではなく機械式のため、ACCが今やいくつかの軽自動車も備える全車速対応ではなく、30km/h未満でキャンセルされるタイプということ。かけられるコストが限られるコンパクトカーゆえ、さまざまな議論を経たうえでの総合的な判断として採用が見送られたのだろうが、残念。ACCと連動して作動する車線中央維持機能の出来がよいのでよけいにそう思う。
ただ全部ひっくるめて評価すると相当の力作で、特にハイブリッドはだれにでもオススメできる。輸入コンパクトを見回すに、フィットとヤリスは誇らしい。
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