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クアトロポルテ。V6ツインターボモデルに試乗

失うものの少ないAWDモデル

電子制御スカイフックダンパーを備えるサスペンションは、ノーマルとスポーツをモード選択できるが、前者はサルーンであることを強調するかのようなソフトな設定である一方、後者を選んでも硬すぎることはない。したがって、ある程度のスピードレンジに達したら、あるいは普段の使用から、スポーツモードを選択する手もあると思った。

それに加えて、軽めだが自然なフィールを持つステアリングを操ってのコーナリングは、適度なアンダーステアに終始する素直なものに感じられた。全般に道幅の狭いワインディングロードでは、1.95m近い幅の広さが少々気になったが、身のこなし自体には、その大きさから想像される鈍感さのようなものは感じられない。

途中でクルマを交換、試乗の後半はS Q4をドライビングしたが、前輪にトルクが伝わる分、ステアフィールに若干の違いが感じられることを除けば、違和感のないナチュラルな4WDという印象だった。テストコースを攻めた際、ウエットな部分で一度だけフロントがアウトに逃げるのを感じたが、公道上ではタイトベンドでもアンダーステアが明確に強まるといった傾向は感じられなかった。もちろん高速での直進性や安定感に文句はない。

S Q4、最高速はSより2km/hだけ落ちるものの、発進のロスがないので0-100km/h加速は4.9秒に短縮され、複合サイクル燃費もSより100km走行当たり0.1L大食いなだけだという。メリットの代わりに、失うものがかなり少ない4WDではないかと思った。

というわけで、新型クアトロポルテはV6モデルで不足なし、というのがテストドライブ後の正直な感想だった。しかも降雪地のマセラティフリークにとって、S Q4の存在は何物にも代えがたい悦びに違いない。なにせ、冬でも乗れる「マセ」が出現したのだから。

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