【疑問】なぜここまでSUVが売れるのか？ セダンやミニバンから覇権を奪った理由と今後の懸念

トヨタ クラウンエステート　　

SUVは何でもできる優等生？

SUVの最大のメリットは、居住空間と荷室空間の広さです。車種によっては3列シートやミニバン並の広い頭上空間が備わっており、高い快適性が大きな魅力です。

加えて、高い最低地上高と座面高は、ドライバーの視認性を高め運転のしやすさに寄与します。高い座面高は乗降のしやすさを向上させ、背の高いボディは他車からの視認性向上にも貢献します。

一方で、SUVにはデメリットもあります。一般的に、セダンやハッチバックと比べると車重が重いため動力性能では劣ります。また、前面投影面積が大きくその分空気抵抗も大きくなるため、燃費性能も良いとは言えません。

さらに、タイヤは大径で切れ角が少ない上、車体を止めるため大型のブレーキ装置が必要で、ホイールやタイヤのコストが高くなる場合があります。また、高い全高はクルマの重心を上げ、カーブでの安定性は重心が低い車に劣ります。車体の傾きを抑えるためにはサスペンションを硬く設定する必要があり、乗り心地も悪くなりがちです。

しかし、技術の進歩により多くのデメリットは克服されつつあります。燃費性能はハイブリッドシステムなどによって向上し、乗り心地やハンドリングはシャシー性能の向上やサスペンションの工夫で改善されています。

つまり、現在のクロスオーバーSUVは、技術進歩によって実用化された車であり、様々なニーズに応えるよう進化した合理的な形態と言えるでしょう。