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未来スポーツ、アウディe-tron GTに早くも試乗。狙うはテスラの牙城

タイカンと同じ「J1プラットフォーム」がベース

それはまるでブレードランナーのワンシーンのようだった。私はリック・デッカードのように近未来の電気自動車「アウディ e-tron GT コンセプト」でハリウッドに近いレトロな街並みの残るロサンゼルス市街を疾走したのである。

私がe-tron GTに初めて遭遇したのは2018年11月初旬、アウディ本社に近いスタジオであった。厳重なチェックを受けてから通されたそこには、ダークグレーメタリックという驚くほど地味なエクステリアカラーをまとったGTがたたずんでいた。

アウディe-tron GTは2019年に登場するポルシェのバッテリーEV「タイカン」と同じ「J1プラットフォーム」に構築された4シータークーペである。

チーフデザイナーのマーク・リヒテは「私はこれまでフォルクスワーゲンとアウディでデザインを手がけてきましたが、このGTほど自分の中にある創造力を具現化できたクルマはありませんでした」と感情の高ぶりを露わにしながら私に語りかけてきた。マークは確かに普段から感情豊かな表現をするが、今回は特に力が入っている。

ボディサイズは全長4.96×全幅1.96m×全高1.38mで、「アウディA7」より低く、幅広い。面白いことにBEVなのに前後のオーバーハングも含めて全体のシルエットは内燃エンジンを搭載したA7に近い。「もはや本当の意味ではグリルとしての機能は持たず、シングルフレームの背後は自動運転に必要なカメラやレーダーなどのセンサー、100リッターのトランクなどでいっぱいです。また、リアには4人分のラゲッジ・スペース(450リッター)が確保されています」とマークは説明する。

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