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BMWの新たな提案、 5シリーズGTに試乗!

未知の可能性を感じるスタイル

ここまで走りの魅力について書きながら覆すようだが、5シリーズ・グランツーリスモの走りの楽しさは、あくまで「サイズの割には」という但し書きが付く。キビキビと走らせるだけなら、BMWの中を見回しても、1シリーズ、3シリーズ、Z4といった走りの魅力を追及したモデルがあるからだ。しかしながら、5シリーズ・グランツーリスモにはBMWらしい走りに加えて、快適な室内空間とユーティリティの高さが備わっている。

運転席はコックピットのような囲まれ感があってドライバー・コンシャスなBMWらしい設えだが、視線の高さはセダンとSUVの間といったところで見晴らしがよく運転しやすい。ファーストクラスを標榜するキャビンは広々としており、7シリーズ並みの快適装備を備える。初採用となる2ピース構造のテールゲートは、セダン風にノッチの部分だけを開けたり、SUV風にリアハッチ全体を開けて大きな荷物を積み込むこともできる。パーテーションによって居住空間と荷室を独立させることで室内の快適性を保ちつつ、パーテーションを外して後席を倒せば必要に応じて最大1700リッターまで荷室を拡大できる。

ファストバック・スタイルの4ドア・クーペという新ジャンルだけに、成功するかどうかは市場の反響を待たねばならない。ただ、10年前にBMWがX5で”SAV”なる新ジャンルに乗り出したとき、メディアの冷評をよそに市場に受け入れられて今では累計販売台数80万台を越えて同社のラインナップには欠かせない存在に成長したことは記憶に新しい。同じように、グランツーリスモにもオルタナティブなものがないだけに未知の可能性を感じるのは私だけではないはずだ。

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