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BMWの新たな提案、 5シリーズGTに試乗!

着実にBMWの遺伝子を受け継いでいる

「駆け抜ける悦び」こそBMWの象徴と思っているファンは、是非、このクルマの運転席に座って欲しい。私自身、いくらクーペ風のデザインでごまかしても、4998×1901×1559mmと大柄なボディを持つことによる操縦フィールの悪化は避けられないだろうと想像していた。しかし、走りの面でも着実にBMWの遺伝子を受け継いでいる。

3リッター直6と4.4リッターV8の2種のガソリンと3リッター直6ディーゼルのラインナップの中から、今回の試乗に供されたのはBMW伝統のストレート6にZF製8速ATを組み合わせた「535i」。直噴+ツインスクロールターボ(シングルターボ)+バルブトロニックの最新テクノロジー満艦飾の新エンジンである。排気管を従来の1系統から2系統とし、ターボチャージャーをより大きなものとすることで高回転域の出力を高め、バルブの開閉を連続的に制御するバルブトロニックを組み合わせることで低回転域でのターボラグも解消した。

試乗前には、最高出力306ps/5800rpm程度では2トン近くになる巨体を機敏に走らせることはできないだろうと予想していた。だが実際には、1200rpmという低回転域から5000rpmまで400Nmの最大トルクをフラットに生み出すことで、どんなシーンからアクセルを踏んでも力強い加速感をもたらしてくれる。

多段化されたギアがエンジンの美味しいところを引き出してくれるし、変速マナーが優れているためビジーに感じない。通常は、静粛性と低燃費を重視して高めのギアで回転数を抑え目に走るが、いざ、アクセルを踏み込めば、時には「飛び段」をして適正なギアまで素早く落としてパワーを引き出す。マニュアル操作もできるが、AT任せで走っても十分に楽しい。

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