ランフラットタイヤ革新 注目の第3世代を試す
掲載 更新 carview! 文:河口 まなぶ/写真:ブリヂストン
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これまでの硬さ/重さを解消したことで、ランフラットタイヤは通常のタイヤと変わらぬものになりつつある。ただし車両側には空気圧モニターが必要で、これとセットで初めて使えるシステムでもある。ただこれに関しても例えばアメリカでは新車への装着が義務化されている他、日欧でも標準化の動きがあるため、ランフラットタイヤ採用の可能性は広がりつつあるわけだ。
いま、車両側では効率追求が盛んだ。それはハイブリッドシステムの採用やEVなどに代表されるパワートレーンの改革に代表されるが、他にも軽量化や省スペース化が急務となっている。そうした時にもランフラットタイヤは大きく貢献する。特にスペアタイヤ・レスによる軽量化と省スペース、もしくはスペースの有効利用は、車両レイアウトにまで関わる要素になる。極端な言い方をすればクルマの一部の形状を変える可能性もある。
また最初の方で記したように、“パンクしても走れる”ことの利便性は極めて大きい。最近のクルマは以前に比べれば格段にパンクしなくなったが、それでもJAFの出動件数のトップを占める要因。そう考えると渋滞を生まないという部分にすら貢献する。
そう考えるとランフラットタイヤは“人に優しい”製品だということも判ってくる。利便性を高め、安全を確保し、道路環境にも自然環境にも貢献し、クルマそのものを変える…と利点尽くしなのでである。
ならば価格は? そこが一番の課題だろう。現時点でランフラットタイヤは、通常のタイヤに対して2~3割高いわけだが、ブリヂストンは生産数を増やすことで価格を下げていくというから、今後は改善されていく可能性が高いと思われる。
最後に、ランフラットタイヤの定義とはISO規格で80km/hで80km走行可能なタイヤを指しているわけだが、実際には規格が定める以上のメリットや、可能性を持つ製品なのだと認識したい。
もっとも既に20年以上前、317km/hの最高速の保証と、身体の不自由なユーザーに対する利便性の提供という、対極とも言えるメリットを実現していた夢の製品だったわけで、その夢は現在、確実に手の届くレベルになろうとしているのである。
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