新型アクセラに試乗!ツボを押さえた正常進化
掲載 更新 carview! 文:島下 泰久/写真:齋藤 正
掲載 更新 carview! 文:島下 泰久/写真:齋藤 正
最初にステアリングを握ったのは「アクセラスポーツ20S」に、17インチタイヤやマルチインフォメーションディスプレイ(MID)などを備えたツーリングコンフォート・パッケージ装着車。一番の注目株である「i-stop」を備えたモデルだ。
燃費を約15%改善させるという自動アイドリングストップ機構のi-stop。面白いのは直噴エンジンの特徴を活かしてエンジン停止時にピストンを圧縮行程の位置で止めておき、再始動はそこに燃料を噴射し燃焼させることで行なうという点だ。スターターモーターは補助的に使われるだけ。これによって再始動時間は既存のシステムの約半分になるという。
実際、その動作に違和感はほとんど無く、走りのリズムを邪魔することはない。ごく稀に発進時にギクシャクすることもあるが十分許容範囲内だ。気になったのはブレーキをやや強めに踏んでいないとエンジンが停止してくれないことと、エンジン停止時間を表示するMIDの表示が地味なこと。エンジン停止中は表示色を明るく変えるなど、もう少しi-stopの作動を楽しめるものであってもいい。
動力性能はまずまずというレベル。しかし基本的に回すほどに活気を増すエンジン特性と5速ATの各ギアのギャップの大きさに、アクセルをどうしても踏み込みがちとなってしまうのが惜しい。もっと低速トルクがあれば、あるいはトルクバンドをうまく使えれば、踏み込み量は少なくて済む。せっかくi-stopで停車時に燃費を稼げるのに、走りの方では今ひとつエコドライブに徹し切れないのだ。
一方、フットワークには大幅な進化が感じられた。軽快に良く曲がるのは従来と同様。しかしリアが落ち着かず、特に高速走行時のスタビリティに物足りなさを覚えた先代の欠点は改善されている。それでもつまらなくなったわけではない。要はコーナリングを安心して楽しめるようになったということである。
惜しいのは乗り心地。路面の細かな凸凹に対してぴょこぴょこと細かな上下動が伝わってきて安っぽく感じさせている。先代と大差無いとまでは言わないが、それでも上質感はもう少し高めて欲しいところだ。
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