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11月12日、日本上陸! シボレーソニックに試乗

狙い済ましたアンバランス

まずその典型といえるのがデザイン。ハッチバックの激戦区である欧州で何が必要かを、ソニックはしっかりと表現する。ひと目見て強いインパクトを与える顔つき、これが極めて重要。しかも最近のトレンドは、良い意味で「ちょいブサ顔」。つまり人の目が止まるような“引っかかり”が必要なのだ。その意味でもソニックのボウタイ・エンブレムの位置と目つきの関係は確実に“引っかかる”狙い済ましたアンバランス。しかもヘッドライト・ユニットは普通ならカバーを与えるところをあえてむき出しで表情を強調、文字通り“目を引く”わけだ。

さらにデザインは見所多し。リアドアのノブをウインド後端に仕込むというアグレッシブ表現の定番をサラリと使いこなす。ソニックは後発。ならば何をすべきか? その答えがこのデザインにあり、全身で表現している。

そしてデザインはインテリアにまで強さを貫く。特に印象的なのはメーター周り。ガジェット的テイストで形作ったナセルをステアリングの先に設え、Gショック的なヘビーデューティー+スポーツを表現する。人によっては子供っぽさを覚えるかもしれないが、中性的でデザインのためにデザインした日本車の草食感より好感度が高い。明確、割り切る、それらを無言で伝えるデザインもある。だからひとつひとつのパーツの質感も特に気にならない。この辺りも上手い。要は背伸びがない、というわけ。

とはいえデザイン・コンシャスに陥るのではなく、実用面もキチンと押さえる辺り、どこか生活にクルマがなくちゃならないアメリカならではの空気感もフワッと感じる。荷室の床板アレンジなんて日本車真っ青。それでいてガシガシ使えそうな感覚も併せ持つ。なんというか、骨太なんだけど痒いところに割と手が届いている、という感じだ。

今回試乗したのは、日本に導入されるものと同じ1.6リッターのECOTECエンジンを搭載したモデル。組み合わされるトランスミッションはシボレーのコンパクトカーには初搭載となる6速AT。これによって燃費は欧州値で13.8~15.1km/L、日本仕様は10・15モード燃費値で11.3km/Lとなる。

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