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五木寛之インタビュー・著書『雨の日には車をみがいて』で読み耽るレシプロ黄金時代の名車の魅力

車は停まっている姿を見るだけでも美しい

今年90歳を迎える五木さん。免許は65歳のときに「馴染みの道を正確にトレースできなくなり、新幹線から駅の看板の文字が読めなくなった」のを期に返納されている。五木さんにとって車は、“はるか遠くへ移動できる自由を保証してくれる存在”だった。

「運転をやめたとき、男としての人生が終わり、長年の友と別れたような喪失感を味わった。同じように車を降りた北方謙三さんにそう話したら、“最後のマセラティを手放すとき、大好きなワインをタイヤに注いで送り出した”なんて言う。キザだけど彼らしい車人生の終え方だと感心したよね」(五木さん)

無粋を承知で「一番印象に残っている車は?」と訪ねた。

「それは難しい質問だね。“出来のわるい子供ほどかわいい”なんて言葉があるけど、大衆車でも高級車でも、大きくても小さくても、車にはそれぞれに何かしら個性や魅力があって面白かった。とても一台は選べません」と嬉しそうに笑う。

「車に乗り始めたころは、まず加速感に惹かれる。次にブレーキングの味わいが気になりだし、やがてサスペンションの挙動にこだわるようになる。でも最終的には姿の美しさにたどり着くのかもしれない」と五木さん。

車を降りた後も、街を走る車を眺めるのが大好きだという五木さんが、とりわけ美しい車だと思い起こすのは、第4話『バイエルンからきた貴婦人』に登場するBMWの2000CSクーペだ。

「動力性能の高い車は優雅さに欠けることがある。けれど、ピラーレスのこのクーペに乗り込むと、ヨットに乗っているような優雅さを感じた。フロントからテールまで走るラインの美しさは、停まっている車をいつまでも眺めていたくなるほど」(五木さん)

「“いい車は真上から見ても美しいんだよ”と徳大寺有恒さんが教えてくれたけど、みんなそれぞれに“愛車の一番美しく見える角度”にこだわりがあるはず。自分の車に乗り込むときに見とれてしまうようなね」と五木さんは笑う。

>>底しれぬ悪魔のような黒いメルセデス

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みんなのコメント

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  • 2022/3/30 18:40

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    20年以上前に買って読んだけど、大好きな小説でした。
    『雨の日には車をみがいて』を読んだ後は、洗車直後の雨でもイライラすることはなくなりましたし。
    探せばどこかにしまってあると思うけど、復刻版買っちゃおうかな。
  • 2022/3/30 20:40

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    映画「シェルブールの雨傘」の主人公の男が後に経営している車屋がシムカの看板を掲げていて、店内のガレージにある車がシムカ1000なんだよね。五木さんもそれに影響されてシムカに乗ったんだと思う。そして短編集のタイトルもこうなる、と。
  • 2022/3/30 19:28

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    “雨の後には車を磨いて”はやってますが^^;
    復刊するなら買ってみよう。

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