初代とぜんぜん違うトヨタ ミライは現時点で最高のFCVに仕上がったが、黒塗り社用車としては後席が微妙
掲載 更新 carview! 文:塩見 智/写真:望月 浩彦 93
掲載 更新 carview! 文:塩見 智/写真:望月 浩彦 93
試乗会は富士スピードウェイのショートコースで行われた。運転席に乗り込んでまず感じたのは囲まれ感の強さ。左右シートを隔てるように水素タンクが鎮座するため、それを覆う格好のセンターコンソールが太く、大きく盛り上がっているからだ。ステアリングホイール奥の液晶メーターと横並びで地図を表示するセンターディスプレイが配置される。ATシフターはプリウスと同じような動きをするタイプ。ステアリングホイール、シフター、ペダル類のレイアウトは適切で、視界も良好。
Dレンジに入れてアクセルペダルを踏むと、音もなくスルスルと発進する。速度を上げ、コーナーをいくつか通過してみて、ハンドリングの良さに気づく。ステアリング操作に対してドライバーのイメージ通りにクルマの向きが変わる。速度とステアリング操作なりの自然なロールに終始し、飛ばしても不安がない。飛ばさなければひたすらに快適だ。コーナーの脱出時に後輪駆動ならではの、リアが膨らむような挙動を感じられるのがうれしい。
顔なじみのテストドライバーが「走りを仕上げるのは難しくなかった。うちとしては珍しく前後重量配分が50対50と理想的な素性なので」と冗談めかして教えてくれた。実際、ミライのハンドリングには、欧州プレミアムブランドのFRサルーンのそれと同じ雰囲気がある。欧州車に似ていればOKというつもりはないが、長年日本車の手本だったのは間違いない。50対50という素性のよさに加え、必要に応じてリア内輪にブレーキをかけるアクティブコーナリングアシスト制御のおかげもあって、旋回能力は高い。
TNGA各モデルが採用するダンパーが奏功しているのだろう、路面のザラつきなどに起因する微小な入力のいなし方がうまい。タイヤサイズは235/55R19が標準で、245/45ZR20がオプション設定される。どちらもサーキットの縁石に乗り上げるような走りをしてもバタつくようなことはなかった。車体が大きいので見た目のバランスが取れているのは20インチだ。
モーターの最大トルクは300Nmと従来の335Nmから減っているものの、最高出力は182psと従来の154psから向上した(FCスタックの最高出力は174ps)。車両のサイズアップに伴い車重は1930kgと初代の1850kgから80kg増加したが、体感上の加速力は十分以上だった。スポーツモードを選べばアクセルレスポンスが向上する。
エンジンがないので全域で静かだが、わざわざアクセル操作に連動して車内のスピーカーからサウンドを出すアクティブ・サウンド・コントロールが備わる。ドライビングモードがノーマルかスポーツかでも異なるが、いずれにしてもその音は独特。エンジン音というよりジェット機のような音に聞こえた。必要なければオフにできるし、ギミックとしてはアリだと思うが、センターパネル付近の1カ所から聞こえてくるのでやや臨場感に欠ける。聞かせ方にもうひと工夫ほしい。
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