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ポルシェ911カレラが歴史上初のターボ化。「失ったもの」はないのか?

走りのキレ味を失ってはいないか?

では、その走りっぷりは? まず乗ったカレラでは、発進直後の低回転域からトルクの厚みを実感させられた。クッと蹴り出すようなツキの良さが心地良い。

それでいて決してのっぺりとしたフラットトルク型にはなっておらず、回転が高まるにつれて盛り上がるパワー感も、ちゃんとキープされている。7500rpmに設定されたレブリミットまで一気に、しかも回すほどに澄んでいくサウンドとともに吹けあがる様は、変わらない快感だ。

そして実は一番感心した、あるいはホッとしたのが実はアクセルレスポンスである。踏めば踏んだ分だけすぐに力が出て、離した時には即座に回転が落ち、更に再度踏み込めばまた欲しい分だけ応える。ターボ化された911カレラが、そんなキレ味を失ってはいないか。個人的には、ここが最大の焦点だった。

結果として、それはほぼ完璧に実現できていたと言える。技術陣によれば、ウェイストゲートの使い方に、ひとつのカギがあるという。どうやらアクセルオフ時にスロットルを開けたまま燃料カットを行うことで過給圧を維持するということのようだが、ともあれいわゆるターボラグとは一切無縁なのだ。

ちなみにカレラSも、フィーリングはほぼ同様。もちろん、全体に力感はひと回り増しており、加速には更に迫力が増している。サウンドはこちらの方が、やや硬質という印象である。

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