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C300アバンギャルドS ベンツ的熟成を再確認

ダイナミックハンドリングパッケージを標準装備

それが、C300アバンギャルドS。このグレードには、新たに設定されたダイナミックハンドリングパッケージが標準採用される。その機能は、ダッシュパネルに配置されたスポーツボタンを押すと、足回りの硬さとトランスミッションの変速スピードさらにはエンジン特性が変わるもの。

試乗してみると、ボタン操作による差は歴然であり、Cクラスが掲げるアジリティとコンフォートの融合が見事なまでになされていた。具体的には、ノーマル時は今までのC300よりもギャップをしなやかに吸収して、16インチを履くエレガンスにまでは及ばないが、それに匹敵する乗り心地性能を発揮。それでいながらスポーツボタンを押すと、排気音の気持ち良さは及ばないが、CクラスのAMGモデルであるC63に匹敵するほど気持ち良くワインディングを走れるのだ。

特にそのスポーツ性の質は見事で、ボディ剛性など素姓の良さも関係しているが、アクセル操作に直結するかのようにエンジンが反応するようになり、FRならではの荷重移動を使った走りを積極的に楽しめるようになる。加えて、足回りが引き締められてタイヤを積極的に路面に押さえ付けられるようになり、今まで以上に17インチタイヤを履きこなせるようになっているのが好印象。そこには足回りとタイヤのしなやかさや硬さのバランスが見事に調和している感覚があり、パワステの味付けは変わらないのだがハンドルの手応えが増し、走りの性能を突き詰めたC63の素直で操作性のよいハンドリング特性に肩を並べたと直感したのだ。

ちなみにこのダイナミックハンドリングパッケージは、C250とC200コンプレッサーにオプション設定されているアバンギャルドSパッケージに含まれており、C300を選ばなくとも、その洗練された乗り味を手にすることが可能になっている。

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