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ル・マン24H、初のハイブリッドウィナー誕生

第80回ル・マン24時間レースが当地でフィニッシュを迎えた。果たして、ル・マン初のハイブリッド・ウィナーは生まれたのか。さっそく、レース速報をお届けしよう。

■王者アウディも冷や汗、序盤の主役はトヨタ

予選でポールポジションを獲得したのは、前評判通りの速さを見せたアウディの1号車「R18 e-tron クワトロ」。2位にはディーゼル仕様の3号車「R18 ウルトラ」が続いたが、トヨタの「TS030 ハイブリッド」が3位と5位のポジションを獲得し、4台のアウディに割って入る形となった。

決勝はウォームアップまで降っていた雨もあがり、ほぼ全面ドライでスタート。結局、チェッカーまでドライコンディションでレースは進んだ。そんな安定した天気とはうらはらに、レース序盤は波乱の連続だった。

まず、ギャラリーを沸かせたのはトヨタ。圧倒的な優位が予想されたアウディをコース上でかわして、一時はトップを走るという驚異的なパフォーマンスを見せたのだ。勢いづくトヨタだったが、悪夢の瞬間はその直後だった。まず8号車が「フェラーリ 458イタリア」に接触され、宙に浮き上がった末にタイヤバリアに激しく衝突。ドライバーの安否も心配されるほどの大クラッシュで、あっけなくリタイアとなった(その後、脊髄に損傷があるものの命に別状はなしとトヨタからリリースが流れた)。

そして、1時間ほどセーフティーカーが入った直後、今度はトップ争いをしていた7号車にアクシデントが発生。クラス外規格として出場したゼッケン0番の「日産 デルタウイング」と、日本勢同士で接触してしまったのだ。デルタウイングはそのままリタイア、7号車はレースに復帰したものの、相次いでトラブルに見舞われ、最終的にエンジントラブルによってレース開始から約10時間でコースを去った。

とはいえ、トヨタのパフォーマンスは王者アウディに冷や汗をかかせるに十分で、来年以降の飛躍が期待できそうだ。また、レース前にはマツダが21年ぶりにル・マン復帰(2013年から。より市販車に近いLMP2クラス)を正式発表し、日本のファンに嬉しいニュースを届けてくれた。

■ハイブリッド初のル・マンウィナーが誕生

夜が明けた17日、トヨタが去ったコース上では、アウディが磐石の1-2-3-4体制を構築していた。しかし、このまますんなりとゴール…といかないのが、ル・マンの面白さであり、難しさでもある。

まず、1号車とトップ争いをしていた2号車が、残り3時間を切ってからクラッシュ。続いて、3号車までも前日と同じコーナーでリプレイのように壁に激突し、フロントカウルが大破。前日同様、ドライブシャフトまで損傷し、右前輪がぐらつく状況ながらもピットに戻った。今回3号車は、アウディの不運の多くを引き受ける形となったが、スピーディなピット作業によって、セーフティカーが走っている間にレースに復帰。まるで新車のように走り出す姿は、図らずもアウディの修復能力を見せ付ける結果となった。

そして、現地時間の6月17日15時。80回目の24時間レースは爽やかな青空の下、歓喜のフィニッシュを迎えた。トップでチェッカーを受けたのは、昨年の優勝トリオであるマルセル・ファスラー(スイス)、アンドレ・ロッテラー(ドイツ)、ブノワ・トレルイエ(フランス)がドライブしたアウディの1号車「R18 e-tron クワトロ」。アウディがル・マンの歴史上初のハイブリッド・ウィナーになるとともに、ハイブリッド初のワンツーフィニッシュを果たした。

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