IS250C試乗。ISを想像すると裏切られる!?

2面性を持った乗り味

IS250Cの走りを語る上で、忘れてはならないのが静粛性の高さ。ハードトップルーフは幌タイプに比べて静かなのは当然だが、同様のオープン形式を採用するライバル勢と比べても、その静粛性能は格別。それはさすがレクサスと思えるもので、セダンなどのクローズドボディと比べても、遜色ないレベルに仕上がっている。

また60kgのボディ補強が効いているのだろう。ギャップを乗り越えた際などに剛性が足らず振動の収束に時間がかかるといった、オープンモデルにありがちな乗り味の質を悪化させる特性が無いのも良いところ。まさにゆったりと乗る、そのような使用環境が適した味付けだ。

では、走りを楽しみたいスポーツ指向の方には一切お勧めできないかと言われれば、実はそうでもない。1730kgの車重に対して、エンジンの非力感は若干気になるが、ルーフを開けると車体の動きに軽快感がでてくる。これはオープンモデルであれば少なからず持ち合わせる特性なのだが、ルーフ重量が60kgと決して軽くはないので、クローズ時とオープン時で乗り味がガラッと変わるのが特徴。しかも、オープンにすると、60kgがトランクに移ることで重量バランスが良くなり、クローズ時よりもステアリング操作に対して素直にクルマが反応する感覚が手に入り、走りを楽しむことも可能となる。

まさに1台で2度美味しいといった、2つの乗り味を持つのがIS250Cで、SCに近い乗り味と冒頭で述べたが、単にラグジェアリー性能だけを追求したクルマではないということだ。