「ヤリスクロス」プロトタイプ試乗 全方位好バランスだがインテリアの色使いを再考してほしい
掲載 更新 carview! 文:塩見 智/写真:篠原 晃一 239
掲載 更新 carview! 文:塩見 智/写真:篠原 晃一 239
トヨタがダイナミックフォースエンジンと呼ぶ1.5リッター直3の自然吸気エンジン+CVTの組み合わせと、そのエンジンにおなじみのハイブリッドシステムを組み合わせた2種類のパワートレーンが設定され、それぞれFWDと4WDを選ぶことができる。スペックの詳細は明らかになっていないが、いずれもヤリスに採用されたパワートレーンであり、実際に乗ってみた印象もヤリスで受けた印象に近かった。
ハイブリッドは、ヤリス同様それ以前のシステムよりも電力供給の能力が明らかに向上していて、エンジン自体の効率も高い。静かで振動もよく抑えられており、何よりも力強い。発進を含む実用域でアクセル操作に対しレスポンスがよく、ストレスがない。すぐに望む速度に達する。
電力供給能力が向上し、前の世代のハイブリッドよりもエンジン始動の頻度が減ったように感じられるが、それよりもエンジンがかかった際の振動が減り、洗練度が向上したことのほうがありがたい。ハイブリッドはFWDと4WDを乗り比べた結果、軽快感でFWDのほうが少し上回る気がしたが、必要に応じて4WDを選ぶことを躊躇するほどの差はないと思った。
非ハイブリッド版のほうは、ハイブリッドと同じペースで走らせようとすると高いエンジン回転域を使うことになり、3気筒特有の軽い音質のエンジン音が目立つ。発進時を中心にハイブリッドほどの余裕はないが、コンパクトSUVとして絶対的にパワーが不足しているわけではない。ただし非ハイブリッドを買うと決めているのなら、せっかくなのでハイブリッドにも……などと記念試乗をしないほうがいい。体験すると洗練度の違いに心が揺らぐからだ、すなわち予算が許すならハイブリッドをオススメする。ハイブリッドなら車両を発電機として災害時などに電力を取り出すこともできる。
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