【ディール以前の問題】日本でアメ車が売れずドイツ車が支持される当前の理由。荒唐無稽なトランプ氏の真意とは

ジープ ラングラー

トランプ大統領の発言の真意とは

トランプ大統領は、日本でアメリカ車が売れない理由のひとつに「非関税障壁」の存在を挙げています。

日本では1978年をもって輸入車への関税を撤廃していますが、日本が採用している各種税制や補助金、あるいは車検制度などがアメリカ車の普及を阻害している、と指摘しているわけです。

こうした指摘は、トランプ大統領に限らず時のアメリカ大統領によってしばしば主張されています。

ただ、実際にはアメリカ車だけを排除するような政策はなく、ドイツ車が地道な努力によって一定の成功をおさめていることからも、この主張は荒唐無稽なものであることがわかります。

結局のところ、アメリカ車が日本で受け入れられない理由は、日本のユーザーに合わせたモデルを展開できていないことにあります。しかし、その背景には、かつての日本車が驚異的なスピードでアメリカの自動車産業を駆逐したという歴史があるのも事実です。

そうした経緯を考えると、「Make America Great Again（＝アメリカ合衆国をふたたび偉大な国にする）」を掲げているトランプ大統領が日本市場の「開放」を求める真意は、かつての雪辱を晴らすことにあるのかもしれません。

（終わり）

（写真：ジープ、キャデラック、シボレー、テスラ）