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吉田匠、後期997を語る カレラかSかPDKかMTか

全方位の進化を果たした新開発エンジン

だからPDKの採用は新型911のドライビングを大きく進化させたのは間違いないが、それと同様かそれ以上に意味を持つのが新開発されたエンジンだ。単にシリンダーヘッドとその周辺を直噴化しただけでなく、構造の基本であるクランクケースから新設計した新しい水冷水平対向6気筒=水冷フラット6は、動力性能と燃費を一気に向上させると同時に排ガスのクリーン化も果たしたのに加えて、部品点数を減らして軽量化と剛性アップを同時に達成、さらに生産時間の短縮によってコストダウンにも寄与するという、全方位の向上を果たしている。さらにエンジン高を低く設計し、その搭載位置も下げたことによって車両の重心が下がり、クルマの安定性やハンドリングの向上にも貢献している。

しかも新エンジンで僕が注目したのは、カレラ用の3.6リッターとカレラS用の3.8リッターで互いにボア・ストロークが異なることだった。ちなみに997前期型のエンジンは、3.6リッターと3.8リッターではボアが96mmおよび99mmと異なるだけで、82.8mmというストロークは両方に共通だった。ところが後期型のエンジンは、カレラ用が97×81.5mmの3614cc、カレラS用が102×77.5mmの3800ccと、ボア・ストロークともにまったく異なる。しかもカレラS用の3.8リッターが極端なショートストロークを採用しているところが、なにやら臭ってくる。

新エンジンのパワーとトルクは、3.6リッターが345psと390Nm、3.8リッターが385psと420Nmで、前者が前期型に対してパワーで20ps、パーセンテージにして6.2%の向上、後者が30ps、8.5%の向上と、向上代も3.8リッターの方が確実に大きい。それに対して車重は、クーペの場合カレラで1395kg、カレラSで1420kgと、それぞれ20kgおよび5kgしか増えていないから後期型の動力性能は確実に向上し、例えばMT同士の比較で0-200km/h加速タイムはカレラで17.5秒から16.6秒に、カレラSでは16.5秒から15.2秒に短縮されている。ちなみに最高速はカレラが289km/h、カレラSが302km/hと、後者はカレラ系で初めて300の大台を超えたのだから素晴らしい。パチパチパチ。

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