BMW・135iクーペに試乗 野性味とジェントルと…
掲載 更新 carview! 文:萩原 秀輝/写真:齋藤 正
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BMWのエンジンは、いずれも高回転・高出力型の特性を備えている。つまり、一般的には中回転域を超えるとトルクが落ちこむものだが、BMWのエンジンはそれを抑えている。そのため、エンジン回転数によってトルクから高いパワーが稼ぎだせるわけだ。その究極がMモデルが積むエンジンであり、他のモデルが搭載する直6エンジンも最高許容回転数は7000rpmに達する。135iが積むエンジンも同様であり、アクセルを踏み続ければ6800rpmあたりでパワーの頭打ちは感じるものの、レブリミットの7000rpmまで排気系の快音を響かせながら吹けあがる。
ただ、3.0リッターの直6・直噴ツインターボエンジンが本領を発揮するのは高回転域だけではない。なんと、M3が積む4.0リッターのV8エンジンと並ぶ40.8kg-mものトルクを1300rpmから発揮するのだ。実際には、それ以前の回転域でも力強さに不足を感じない。なぜかといえば、多くの過給器付きエンジンは空気を圧縮する際に熱を持つので異常燃焼を起こしやすくなりがちだ。したがって、エンジン本体の圧縮比を下げてあるため、過給しない状態では十分なトルクが得られない。
だが、135iが積むエンジンは燃料をシリンダー内に直射する際に熱を奪うことができる。しかも、高精度な噴射制御(燃料の噴射量と最大で1行程3回という噴射タイミングを最適化)により、過給器付きとしては異例ともいえる10.2:1の高圧縮比を獲得。そのため、エンジン本体が十分なトルクを発揮。さらに、小型タービンを持つツインターボが低回転域から過給効果を立ち上げるので、アクセルを踏み込めばエンジン回転数を問わずに刺激的な力強さが得られるわけだ。
それだけに、6速MT(6速AT仕様もある)の低いギアを選んで7000rpmに至る胸のすくような高回転域特性が確かめられる一方で、あえて高めのギアを選ぶ意味が大アリなのだ。山岳路なら、2速ではなく3速か4速を選べば、際限なく湧きでるような圧倒的なトルクを実感しながら伸びのある加速が存分に楽しめた。
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