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スズキ スイフトスポーツはかっ飛ばさなくてもまっ当な実用車=国民車か?

硬めだが快適で余裕ある巡航、安定性も盤石

そして走行性能。これももちろん一級品なわけだが、筆者が言っているのは「峠道をギャンギャン走る場合」の話ではなく、「そこらの幹線道路や高速道路を、フツーに飛ばしたり飛ばさなかったりしながら走る際」の話だ。

カタログによれば最大トルクが発生するのは2500rpm。しかしアクセルペダルにほんの少々の圧をかける程度、つまり1600rpmぐらいの領域でも、普通に走る分には十分以上の力強さがモリモリと湧いてくる。そのため基本的には「右足をアクセルにちょいと置いておくだけ」ぐらいのニュアンスで、余裕ある巡航ができる。

そして状況に応じて――つまり追い越しや「お楽しみ」のために――アクセルペダルをグイと踏み込んでやれば、2500rpmに達したATのスイフトスポーツは「小型ロケット」と化す。で、さらに5000rpmや6000rpm付近まで一気呵成に吹け上がりながら怒涛の突進をするわけだが、ここは公道である。追い越しだろうが「お楽しみ」だろうが、ほどほどの線で終わりにして、元の巡航速度に戻るのが現代人の務めであるだろう。

で、巡航速度に戻ったスイフトスポーツ(のAT版)は、やはり快適だ。繰り返しになるが、その巡航体勢は「体幹がしっかりした一流アスリートのジョグ」のようなニュアンスなので、足回りが多少硬めであっても不快感はないのである。

いずれにせよ、まぁとにかく自由自在な加減速が行える、恐ろしいクオリティの「1.4Lのオートマ小型車」だ。

ちなみにスイスポに関するマニアックな見解として、「その高速走行時の安定性は、フォルクスワーゲン ポロGTIなどのドイツ勢には残念ながら及ばない」というのがあるようだ。それは確かにそのとおりな部分もあるのかもしれない。だが筆者が思うのは、「でもそれってアウトバーン級の速度を出しちゃった時の話でしょ?」ということだ。

確かにスイスポは、ある速度を超えると「ドイツ車とはちょっと違うな」とも思わされる。だが日本国民として、国内法規と国民的コンセンサスに基づいた速度(つまり100km/hとか、追い越し時のメーター読み120km/hとか)で走る限り、スイスポの安定性は盤石である。何の心配もいらないと筆者は断言したい。

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