インフィニティSUVに試乗 日産車とは異なる新境地
掲載 更新 carview! 文:河口 まなぶ/写真:日産自動車
掲載 更新 carview! 文:河口 まなぶ/写真:日産自動車
そうして最後に試乗したのがインフィニティSUVの中で最もコンパクトな『EX 35』。実はこのモデル、ベースとなっているのは日本のスカイライン。そう、スカイライン・ベースのSUVといってもいい存在である。
車名の数字からも分かるように、3.5リッターの排気量を持つV6を搭載する。このエンジンは日本のスカイラインに搭載されるモノと同じで、最高出力297ps/最大トルク35.0kgmを発生する。組み合わせられるトランスミッションは、スカイライン同様5速ATだ。
このEX35の場合、QX56やFX50に通ずるような「おおらかさ」は薄いのだが、違う意味での「おおらかさ」があり、今回乗った中で最も驚いた1台だったかもしれない。なぜなら走り出して50mくらいで「おおっ、いいじゃん!」と本当に叫んでしまった。ベースとなるスカイラインに対する僕の評価はイマイチだが、EX35に限ってはグッド! 具体的にはまず乗り心地がマイルドで落ち着きがあり、それでいてハンドリングはスカイライン同等のシャープな感じを持っていたこと。そう、ややギクシャクした感もあるスカイラインに比べEX35は「おおらか」だったのだ。言い換えれば「これぞスカイラインにあるべき走りでは?」と思える、大人っぽいゆとりや豊かさを持ちつつもスポーティな走りが構築されていたのだ。そしてこれはサイズ的にも走り的にも日本のユーザーに気に入ってもらえる!とも思った。
といった具合でインフィニティSUVに乗ってみて感じたことをまとめれば、皆一様に個性があり、それが高い商品性につながっている、ということ。しかも各モデルから感じる魅力は、いま日本で展開されている日産車では味わえないものである点がポイントだ。レクサスは洗練さや上質さで日本の高級車として新しい世界を切り開いた。ならばインフィニティはそれとは確実に異なる押しの強さや豪快さで日本の高級車の新しい世界を切り開けば良いのではないか? 事実インフィニティSUVに感じた良い意味での“成りあがり感”は、意外や魅力的なものとして日本のユーザーにも感じてもらえそうな気がしたのだった。
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