インフィニティSUVに試乗 日産車とは異なる新境地
掲載 更新 carview! 文:河口 まなぶ/写真:日産自動車
掲載 更新 carview! 文:河口 まなぶ/写真:日産自動車
そんなわけでまず最初に乗ったのがインフィニティSUV最大級を誇る『QX 56』。車名の数字からも分かるように、なんと5.6リッターの排気量を持つV8エンジンを搭載するモデル。最高出力は320ps/5200rpm、最大トルクは54.3kgm/3400rpmを発生し、これを電子制御の5速ATを介して後輪もしくは全輪に伝える。そう、実はQXは2駆のFRと4WDの2種類がラインナップされているのだ。
しかしエンジンの排気量以上に驚きなのは、ボディのデカさ。全長は実に5mオーバーの5255mm! 全幅はなんと2001mmと2mをオーバーし、全高も1998mm!という驚愕のビッグサイズ。ホイールベースに至っては3mを軽々とオーバーする3129mm。車重はなんと2726kg!にもなる。ならば走りは期待できない…と誰もが思うはず。ボディの大きさ重さからすれば、いくら5.6リッターのV8といえどパワー/トルクはさほど大きくもないし…という想像になる。もちろん僕も走らせるまではそうだった。
しかし!である。走らせるとこれが実に魅力的な味わいを持っていたのだ。もちろんその乗り味走り味は、普段僕が感激する類いのものではない。つまり優れた動力性能があり、優れた運動性能があり、好バランスな…ではなく「なんだかいい」。そう、理屈じゃなくいい感じなのだ。
乗り味はハッキリいってユルい。しかしこれはポジティブな意見として、である。たっぷりとした感覚の乗り味があって、ゆっくり走らせるととても気分が良い。高いドライビングポジションから下界を見下ろす感覚で、ユルユルと心地よく走れる。しかもこうした雰囲気に5.6リッターのV8が絶妙にマッチする。低回転でドロドロ言わせて…そうして走っていると、なんだか窓を開けてオーディオをフルボリュームで流したくなるのだ。上手く言えないけれど、「こりゃあ確かに気持ちがデカくなってド~ンと構えられるわ」といえる独特のおおらかさがあったのだった。
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