インフィニティSUVに試乗 日産車とは異なる新境地
掲載 更新 carview! 文:河口 まなぶ/写真:日産自動車
掲載 更新 carview! 文:河口 まなぶ/写真:日産自動車
続いて乗ったのがQX56の下に位置する『FX 50』。先代はFX45の名で登場したクルマの後継モデルである。先代FX45は「バイオニックチータ」というコンセプトで、フューチャリスティックとオーガニックが見事に融合したデザインだったが、その後を受けるFX50は基本的な流れこそ受け継ぐものの、以前にも増して押し出しがアップしているのが特徴。事実、ひと目見ての印象は、「顔、デカっ!」というもの。それだけ存在感のある顔つきで、後ろに付かれたら思わず「ごめんちゃい」、と言いたくなる。
車名の数値の通り、搭載エンジンは5.0リッターのV8で、こちらはスカイラインクーペでも使ったVVEL(バルブ作動角・リフト量連続可変システム)を用い、最高出力390ps/最大トルク51.0kgmを発生。しかもこちらは組み合わせるトランスミッションが日産初となる7速ATとなるのが最大のポイントだ。ちなみにボディサイズはQX56よりは小さいものの、全長4860mm×全幅1925mm×全高1680mmと立派な3サイズ。ホイールベースも2900mmとなる。
そんなFX50はQX56に比べるとまず室内がタイト。これは「あえて」の演出のようで、つまりはスポーティな感覚を盛り込んでいる。また走り全体が確実に引き締まった印象で、ハンドリングにもスポーティな感覚がある。そしてエンジンもQX56のドロドロした感覚と違い、踏めばしっかり吹け上がるレスポンスの良さを備えた上で力強い。また組み合わせる7速ATも制御が巧みで、大柄ながらも爽快な感覚も持ち合わせる。
ただそれでも大柄ゆえのおおらかさは乗り味走り味に残されており、QX56よりは締まった感があるものの、やはりゆったりと流して乗りたくなる感覚がある。だから普段は流して走り、いざ!という時はスポーティな走りもこなせるという2面性を持っているわけだ。そしてこの辺りのさじ加減こそ、日本の日産にはない感覚なのだ。
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