好調ボルボの原点が見られる本社ミュージアムで歴史を飾る重要モデルを堪能した

女性によって提案されたコンセプトカー「YCC」

またミュージアムには数々のコンセプトカーも展示されていた。特に印象的だったのは、7名の女性によって提案された「YCC」だ。YCCとは「Your Concept Car」の略称で、2004年のジュネーブショーでこれを発表。コンセプトは「女性のための自動車」だった。

そのデザインは美しい2＋2のクーペスタイル。しかし乗降性やドライビングポジションがアジャストしやすいようにと、ステアリングのみならずペダルまで電動で調節可能となっていた。またこの時代からオートパーキング機能を備え、駐車の難しさを解消しようと考えていた。さらにシートの生地を着せ替えできるといった、女性らしい目線のアイデアが沢山盛り込まれている。

メンテナンス面ではこの当時からエンジンオイルの交換が5万kmとされており、ラジエター液の補充までもがボンネットを開けずに行うことができた。YCCのコンセプトを聞けば聞くほど、現代の風潮と重なる。ボルボは既にかなり早い段階から、こうした「全ての人に優しいクルマ造り」を実践しようとしていたのである。