随所にマツダ思想を反映させたCX-8は多人数乗車モデルの魅力を再定義する
掲載 更新 carview! 文:岡崎 五朗/写真:小林 俊樹
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2列目シートは3人掛けのベンチタイプもあるが、今回試乗した最上級グレードのXD Lパッケージは2人掛けのセパレートタイプ。座り心地と見た目の上質感という点でやはりセパレートタイプは魅力だ。このシートは前後に最大120mmスライドする。リアモスト時には膝を組んでリラックスできる広さがあるし、3列目に誰かを乗せるときは前方にスライドさせればいい。
3列目へのアクセス性は、SUVであることを考えれば悪くない。2列目シートの肩口にあるレバーをつかむとシートバックが倒れつつ前方にスライドするから、空いたすき間から乗り込めばいい。スライドドアではないし、フロアも若干高めだからミニバンほど楽々というわけにはいかないが、決して嫌気が差すほどではなく、むしろ「案外楽に乗り降りできるな」という印象をもった。もちろん、フロアコンソールなし仕様を選べばウォークスルーが可能だ。
3列目の快適性は想像以上だった。ひざ元、頭上ともに身長170cm程度の大人なら無理なく収まる。シートクッションの厚みもしっかり確保しているから、1時間程度のドライブなら何ら痛痒は感じない。ただし座面に対して床が高めなので体育座り的な着座姿勢になるのはマイナス項目。1時間を超えてくるとさすがに足を伸ばしたくなってくる。もちろん、小柄な女性や子供であればそれほど違和感はないだろうが、3列目シートの快適性はやはり四角くて背の高いミニバンには及ばない。とはいえ、法律では定められていない「80km/hでの被追突試験でも3列目乗員の生存空間を確保する」という強固な設計は大きな安心に繋がる。安全面を含め、実用に足る3列シート車であると報告できる。
多人数乗車はしないが、より大きなラゲッジスペースが欲しいという人にもCX-8はアピールするだろう。3列乗車状態でも239L(VDA法、以下同)という実用的なスペースをもっているが、3列目を畳めば572Lという巨大なスペースが現れる。ベンチシート仕様なら2、3列目を倒すとフラットな空間も手に入る。
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