ML320ブルーテック試乗 余計な心配はいらない!
掲載 更新 carview! 文:岡崎 五朗/写真:メルセデス・ベンツ日本
掲載 更新 carview! 文:岡崎 五朗/写真:メルセデス・ベンツ日本
ML320ブルーテックは尿素SCRシステムを世界で初めて搭載した革新的な乗用車だが、ドライブフィールそのものはすでに経験済みのE320CDIに限りなく近い。ハイブリッドのような根本的に新しいものではなく、ディーゼルエンジンという長い歴史をもつ技術に排ガス後処理システムを加えた成り立ちだけに、新鮮味に欠けるのはある意味当然のことだろう。
しかし、そんな感想は僕がすでにE320CDIを経験済みだったから抱いたものであり、最新のディーゼルエンジンに初めて触れる人なら、目から鱗が落ちること請け合いだ。まずは強大なトルク。走り出した直後から、Eクラスより約400kgも重いMLのボディをグイグイ加速させていく。高回転を苦手とするディーゼルゆえ、トップエンドのパンチ力や伸びきり感は今ひとつだが、日常領域での力強さは5.5リッターV8ガソリンエンジンを積むML550を凌ぐ。事実、540Nmという最大トルクはML550の530Nmを凌ぎ、しかもその発生回転数ははるかに低いポイントにあるのである。加えて、高速直進安定性や乗り心地は上々。重いディーゼルエンジンを積んでいるにもかかわらず、コーナーでは鼻先の重さを必要以上に感じさせないスムースなフットワークが印象的だった。
公表された数値は市街地で18マイル/ガロン、高速道路で24マイル/ガロン。試乗では、交通量の少ない郊外の道路を中心に走ってリッターあたり10km/h前後だった。日本への導入は現時点では「未定」となっているが、早ければ年内にも導入される可能性がある。大型SUVに魅力を感じつつも購入にためらいを感じている人にとって、ML320ブルーテックの登場は大きな朗報になるだろう。
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