ML320ブルーテック試乗 余計な心配はいらない!
掲載 更新 carview! 文:岡崎 五朗/写真:メルセデス・ベンツ日本
掲載 更新 carview! 文:岡崎 五朗/写真:メルセデス・ベンツ日本
試乗前のプレゼンでも、冒頭からメルセデスらしい強気のアピールが飛び出した。「米国大陸横断燃費テストにおいて、ML320ブルーテックはハイブリッドSUVよりも11%優れた燃費性能を記録しました」。具体的な車種名は明かさなかったものの、それがレクサスRX400h、日本名ハリアーハイブリッドを指すのは明らか。日米でエコ界のスーパースターになりつつあるハイブリッド車への剥き出しの競争意識は、ハイブリッド戦略で立ち後れた彼らの焦りを示すと同時に、世界で初めてディーゼル乗用車を送り出したメルセデスの自信でもある。
事実、ML320ブルーテックが搭載するコモンレール式の3リッターV6ターボディーゼルは、アメリカのBIN5、欧州のユーロ6、日本のポスト新長期規制といった、今後世界中で実施されるすべての排ガス基準をクリアする実力をもっている。
細かい部分では多少の違いがあるものの、これらの規制に共通するのは、ディーゼル車にガソリン車並のクリーンさを要求していること。つまり、ディーゼルの持ち味であるCO2排出量の少なさと引き替えに、健康被害を引き起こすNOx排出量の多さには多少目をつぶる(粒子状物質の問題はDPFによってすでに解決済み)という図式は、ML320ブルーテックには当てはまらないということだ。また、日産のエクストレイルなど、今後はそういったディーゼル車が次々にリリースされるだろう。
ガソリン車、ディーゼル車、ハイブリッド車…どれも同じようにクリーンなのであれば、走り味、価格、クルマとの相性、燃費、使用環境といった個々のユーザーの価値観に合わせて自由に選択すればいい。ディーゼルだから環境に悪いのでは…そういう余計なことを考えずにディーゼル車を選択できる時代がついにやってきたのである。
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