並のSUVでは“物足りない”人向け。三菱「トライトン」には非日常と上質感が同居する別世界がある
掲載 carview! 文:編集部 14
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最初は泥と岩の本格オフロードコースへ。幸運なことに三菱の誇るパリダカ2連覇のレジェンド・増岡浩(現・チーム三菱ラリーアート総監督)“師匠”が助手席で指南してくれたのですが、もちろんこの体験によってトライトンに非日常のイメージをもったわけではありません。
そのへんのフツーのSUVならアゴを打ちそうな岩場や、下手にブレーキを踏んだらズルリとバランスを崩しそうな激坂、前後のタイヤが完全に浮いてしまうモーグル路でも、師匠の指示通りに4HLC(直結4WD)か4HLC(ローギア直結4WD)を選び、マッドやロックといったドライブモードを使い分けるだけで、ゲームのようにトライトンは突き進みます。
その際のガチッとしたボディの歪まなさ具合などは、プラットフォームや足回りを9年ぶりに全面刷新した最新世代のクロカンモデルならではの世界。オフロードでドライブモードを選ぶ大型のセレクトダイヤルには、もう少し重厚感が欲しい気もしました。
ゴツゴツの岩場でもミシリという軋み音は一切なく、体に伝わる衝撃は不思議なほど角が丸められマイルドで、空調が効いた快適な運転席に座った担当の脳裏にはついつい「上質な乗り心地」などという場違いな台詞が浮かびます。
ツルツルの岩やぬかるんだ轍がうねる坂道で、増岡師匠がニコニコしながら「タイヤはただのオールシーズンなんだけどまだ余裕だね」とか「傾斜角は45度まで大丈夫だから」などと恐ろしくも頼もしい解説を加えると、後席に陣取った開発エンジニア氏もウンウンと相槌を打ちます。大雨にも関わらず、キャビンは常に平和が保たれていたのでした。
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