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新型いすゞ「エルガ デュオ」、日野「ブルーリボン ハイブリッド」、日本製連節バスの運行を阻む法の壁

待望の日本製でも通行許可のハードルは高い

今年、約3年の開発期間を経てようやくいすゞと日野が共同開発した連節バスが発表されました。いすゞ「エルガ デュオ」、日野「ブルーリボン ハイブリッド」の名で2020年から納入が開始されます。ちなみに、納入第1号は日野製とのこと。事業者がどこなのかは現時点では未公表のため想像するしかありません。

いすゞブースでエルガ デュオと対面したとき、ついに日本製が生まれたのかと感慨深いものがありました。それまでの海外製連接バスは全体的に見慣れない雰囲気を持つものが多かったのですが、エルガ デュオは外装、内装ともに日本製らしいものとなっていて、親しみがあります。ただし、連接器や車軸などは開発コスト削減のため、実績のあるドイツ製が使われていたりします。

でも趣味人ではない乗客にはどちらでもいいこと。というか新鮮な雰囲気があっていいと思うかもしれません。そんなことを考えながら展示車を見て、「会場まで運ぶのが大変だっただろうな」と思いました。ナンバーを取って自走してくるとなると、そう簡単にはいきません。

自動車は、道路運送車両の保安基準に適合し、国が行う検査に合格しなければ道路を運行できませんが、連節バスは適合していません。具体的には以下の部分です。

保安基準:長さ12m以下、幅2.5m以下、軸重10000kg以下。非常口要す。
これまでの輸入連節バス:長さ18m、幅2.55m、軸重11500kg。非常口無し。

エルガ デュオ/ブルーリボン ハイブリッドは、日本基準の非常口を設け、幅も基準内の2.495mに合わせてきましたが、長さと軸重は外れてしまいます。

このため、使用の態様が特殊であること等により、保安基準の規定に適合しなくても支障がないという運輸局長認定を取得するための保安基準緩和認定申請と、車両の長さ、重量等についての一定の規格(一般制限値)を超えた車両が道路を通行するための特殊車両通行許可・認定申請の2つの事前認定を受けねばなりません。通行許可は、事前に通行ルートを確定した上で通過する全ての県道路管理者に対して申請が必要です。

さらに、仮ナンバーを使用した回送時などは安全確保のため、誘導車を前後に挟まなければなりません。余談ですが、海外ではよく目にするメルセデス・ベンツやボルボなどのバスを日本で見ないのもこの保安基準のため。海外製の大型バスは単車であっても長さ12m、幅2.5mを超える車両ばかりだからです。

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