台風&ゲリラ豪雨で愛車の浸水は大丈夫? 徹底クリーニングはマスト、最悪は廃車に!
掲載 更新 carview! 文:山本 晋也 45
掲載 更新 carview! 文:山本 晋也 45
気候変動の影響なのでしょうか、いまや日本でも熱帯雨林のスコールのような激しい雨が降ることは珍しくなくなっています。
ゲリラ豪雨のような激しい雨は、短時間で降雨量自体はそれほどでなくとも、道路や施設の排水能力を超えてかなりの水位に達してしまうことがあります。
もし、あなたが利用している保管場所が浸水しやすい条件にあると、愛車が水浸しになってしまう可能性もあり得るのです。
また台風で河川の水位が上がり、堤防が決壊したり、あふれてしまったりして家屋が浸水するような水害が起きると、当然ながらそのエリアに停めているクルマの多くが浸水被害を受けることになるでしょう。
クルマのドアなど開口部にはゴムパッキン(ウェザーストリップ)が備わっていますから、短時間であればドアよりも高い水位になっても車内に水が浸入することなく、やり過ごすことができるかもしれません。オフロード4WDなどは、ドアの半ばくらいまで水につかるような深さの川を走っても、すぐさま車内に水が浸入するわけではありません。
しかしながら、家屋が浸水被害を受けるような状況であれば、その近くに一定時間以上駐車していたクルマは浸水被害を受けることになるでしょう。はたして、浸水してしまったクルマはどうなるのでしょうか?
もちろん、ケースによってさまざまな対策が考えられますが、まずはしっかりと水が引いてからクルマの状況を確認すべきです。水位が上がっている状態で愛車に近づくのは、溺れたり、ケガや感電の危険もあるからです。
安全になってから愛車の様子を見に行くと、河川の氾濫で水に浸かってしまったような場合は、車内が泥水で汚れているかもしれません。
室内についてはカーペットやシートなどに泥水が染み込んでいるでしょうから、すべて車内から取り外して徹底したクリーニングをする必要があります。
泥水が染み込んでしまった布類の表面をきれいにするような、見た目だけを整えるクリーニングでは、あとから悪臭が発生して、とても乗っていられない状況になることもあります。
どうしても生臭さが抜けない場合、カーペットは新品交換が必須でしょうし、場合によってはシートも新しくする必要が出てくるでしょう。
結果的に、浸水する前の状態に戻すには、かなり多額のコストが必要となります。修理見積もりがクルマの残存価値を超えてしまった場合は、通常は廃車扱いとなります。
車内への浸水がなかったからといって安心はできません。ボンネットを開けて、エンジンルームが泥水で汚れているようであれば、エンジンをかけずに修理工場に持ち込むのが正解となります。
泥水によって電子パーツ類は全滅しているでしょうし、どこかでショートしているとエンジンを始動した時などに被害が拡大してしまうこともあるからです。
また、エンジン内部に水が浸入しているようであればピストンを動かしたときに水の圧力で内部パーツが壊れてしまうこともあります。そうでなくとも、エンジン内部に泥水が浸入しているようであればオーバーホールが必要となります。
このように、泥水に浸かってしまったケースから復旧するのはひと苦労になることが多く、修理コストが車内の残存価値を超えてしまうようなケースでは自動車保険の車両保険を使うにしても保険でカバーできないぶんは自腹を切ることになります。よほどこだわっている愛車でなければ、修理するのではなく、廃車にすることを薦められるでしょう。
いずれにしても、愛車が浸水被害を受けたときには、エンジンをかけることなく修理工場のプロに診てもらい、判断を仰ぐことをお勧めしたいと思います。
写真:アフロ、編集部
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