新型シロッコ国内試乗 吉田匠が魅力に迫る!
掲載 更新 carview! 文:吉田 匠/写真:菊池 貴之
掲載 更新 carview! 文:吉田 匠/写真:菊池 貴之
160psと24.5kgmで1340kgの車重を走らせるパフォーマンスはもちろん活発で、スロットルを深く踏み込めば個性的なクーペボディを実に爽快に加速させる。ドイツ仕様の数値で0-100km/h加速8.0秒、最高速218km/hの動力性能に不足はない、というわけだ。
一方、ダンピング固定式のサスペンションと17インチのBSポテンザRE-050Aのもたらす乗り心地は、高剛性ボディの下でちょうどいい感じに脚が作動しているといった印象の、低速から高速に至るまで適度にソフトにして適度に締まったもので、実用的なスポーツクーペに相応しいものだといえる。それでいて、リアトレッドがゴルフより広げられた効果もあって、コーナリングはゴルフVIよりアンダーステアが軽く、ゴルフシャシー独特の懐の深い安心感を維持しながら、一段とよく曲がっていく。つまり、快適さと安定感とファン・トゥ・ドライブのバランスが、すこぶるいい塩梅だということだ。
今度は2.0TSIに乗り移る。コクピットの佇まいは概ね1.4と同じだが、例のスポーツシートが同形状ながらレザー張りになっているのが最大の違いだ。2.0には、ボディカラーとの組み合わせでブラックまたはトリュフの本革シートが標準装備される。
ドライビング感覚はもちろん基本的に1.4と共通するが、走ってみるとすべての快感ゾーンが1.4より高速側に移っているという印象をうける。200psと28.6kgmで1360kgの車重を引っ張るパフォーマンスは、これもドイツ仕様の数字で0-100km/h加速7.1秒、最高速233km/hとされ、1.4を明らかに上回る。2リッター直噴ターボは、発進の際に1.4リッター直噴ツインチャージャーのような独特の快感はもたらさない代わりに、4000rpmから上の吹け上がりが1.4より明らかに鋭く、力強い。したがって、ワインディングで速いペースを保とうとするようなステージで、その魅力を存分に味わえることになる。
アダプティブシャシーコントロールのDCCを備える脚に18インチのダンロップSPスポーツ01を履いた脚は、標準状態では1.4よりやや硬めだが、ソフトな乗り心地を手に入れたければDCCをCOMFORTにセットする手がある。その一方、SPORTを選ぶとコーナーでの挙動は一段と締まったものになるが、よほど舗装のフラットなところ以外ではボディが小刻みに上下動することになる。したがってそれはサーキット用か、ワインディングで相当にヤル気になったときのスペシャルティセッティングと考えた方がいいだろう。なおブレーキングパワーに関しても、2.0の方が1.4よりやや強力に感じられた。
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