見惚れるプロポーション アウディA5に速攻試乗！

自分好みの味付け、そしてS5も…

さらにA5は今回、アウディドライブセレクトというシステムを新たに備えた。これは車速感応型パワーステアリング／エンジン＋6速AT／サスペンション減衰力といった各部の特性を電子制御してコンフォート／オート／ダイナミック／インディヴィデュアルの4つの走行特性モードを実現したもの。コンフォートではステアリングは穏やかな感触になり、エンジン＋6速ATも滑らかな特性となり、サスペンションは減衰力が弱まる。ダイナミックはその逆でステアリングは締まった感触となり、エンジン＋6速ATは性能の最大限を発揮、サスペンションは減衰力が高まるといった具合。そしてオートは状況に応じて最適なバランスを実現。さらにインディヴィデュアルは各部の特性をドライバーが任意に設定可能。例えばステアリングはコンフォートだけどサスペンションは減衰力を高めに…といった自分好みのセットを記憶できるのだ。

そうして走らせた時、個人的にベストと思えたのはコンフォート。操舵感がまろやかでサスペンションもしなやか感がいい。しかもこれでワインディングを走ると意外やクルマの動きを存分に味わって操作できるという自分好みの走りが味わえたからだ。

もちろん走り以外の面でもA5は魅力的だ。先にA8/S8に搭載された12セグを備えたMMIが､iPodと連携できるアウディミュージックインターフェイスに進化。またオプションのバング＆オルフセン・オーディオなど、車格に相応しい装備が取り揃う。また他モデル同様によりスポーティなSパッケージもしっかりと用意されている。

しかもSパッケージでもまだ満足できない向きには、今回は残念ながら試乗こそできなかったがS5も用意されている。A5から遅れて発売されるこのモデルは、4.2リッターのV8・FSIを搭載し最高出力354ps/7000rpm、最大トルク44.9kg-m/3500rpmを発生し、0-100km/hを5.1秒で駆けぬける実力が与えられたスポーツモデルである。もちろんこのS5も試乗車が用意されたらすぐに報告をしたいところだ。

それにしてもアウディA5。見た目はもちろんメカニズムも装備も、大人のクーペと呼ぶに相応しい内容の１台だった。あとはドライバーに、この大人っぽさに相応しいだけの品格や知性が備わるか否かが問われる。そんな風に思え、タメ息をついたのだった。