ホンダ「ステップワゴン」試乗。高いレベルでバランスされたミニバンだが気になるところもある
掲載 更新 carview! 写真:編集部 269
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走ってみます。ステアリングはミニバンにありがちな指でも回りそうな軽さではなく、少しだけ重たさがあります。といっても奥様でも楽に回せるもので、節度があって好印象でした。
ハイブリッドは「シリーズ式」で、モーターで走行し、エンジンは充電用。ただし、ホンダのハイブリッドは一部高速道路などの条件が揃った場合のみエンジンが駆動に参加しますが、運転中その作動に気づくことはありません。
驚いたのは静粛性で、とにかく静かです。エンジンは充電のために適宜始動しますが、遠くの方に聞こえる感覚です。クルマ全体の遮音性が高められているので、ロードノイズもミニバンとしてはよく抑えられていると感じました。さらに乗り心地も快適で、大きな突き上げをボディに伝えることがありません。
走りはパワフルです。モーターのスペックは最高出力184ps、最大トルク315Nmと、2.0Lターボか3.0LのNAエンジンレベルの出力を誇ります。実際に発進からの加速は充分で、上り坂の高速道路の合流などでもストレスを感じませんでした。ステアリングフィールやコーナリング時の姿勢にはクセがなく、ブレーキフィールもコントロールしやすいもので、ミニバンとしては操縦安定性が良いクルマと言えそうです。
また、このハイブリッドモデルにのみ装備される全車速追従式クルーズコントロールはギクシャクが少なく、マナーのよいものでした。一方、車線維持支援システム(LKAS)は積極的にステアリングを操作してくれるものの、ややスムーズ感に欠ける印象。渋滞時などは活用できそうです。
編集が特に気になったのは2点です。1つ目はスロットルの反応で、アクセルの踏み込み量に対して無反応な領域があり、ドライバーの意思と加速がリニアではないと感じがしました。せっかくのモータードライブなので、もう少しリニアリティがあってもよさそうです。2つ目は運転席の座り心地です。広報車に装着されていたメーカーオプションの本革シートの影響かもしれませんが、1時間ほどの乗車でお尻に少し違和感がでてきました。
ということで、静粛性の高さ、モーターを生かしたパワフルな走り、快適な居住空間などにステップワゴン(のハイブリッドモデル)の強みを感じました。ややモデルが古くなってきたとはいえ、その点はライバルも変わりませんから、選ぶ価値はありそうです。
といいつつやはり気になる次期モデル。シンプルなデザインと燃費競争から離脱して快適性に振り切った新型フィットに新しいホンダの潮流を感じたりしますが、おそらくその流れに沿うことになりそうな気もする次期ステップワゴンがどう変化するのか楽しみです。
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