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後期カレラ4試乗。4WDは 電子制御多板クラッチに

PDK×PTMの絶妙なコンビにポルシェのエンジニア魂を見た

今やローンチコントロールなる最速発進加速システムを備える高性能車は少なくないが、何がしかの方法でその使用に制限を設けているクルマが大半だといえる。ところが911のそれは、今回のテストのように反復して使用してもまったく問題ないばかりか、実はPDKは4000回のローンチコントロール使用に耐えられる耐久性を備えているという。ライバルが次々と2ペダルMTを発表していくなかで、ポルシェが最後までツインクラッチシステムを世に出さずに顧客を待たせた理由が分かった気がした。ポルシェはそれを、どんな過酷な使われ方にも耐えられる完璧なものになるまで、鍛えていたのだった。

最後にトライしたのは、広々とした高速ハンドリングコースでインストラクターのクルマを追走し続ける、いわば“追い越し禁止のエアポートレース”だった。クルマを赤いカレラ4Sに乗り替えて臨んだそのステージでは、4Sが加速、減速、コーナリングのすべてをドライバーの望むとおりに危なげなくこなしてくれる、猛烈にコントローラブルで、しかも猛烈にドライビングの愉しいクルマであることを、存分に実感できた。

そこでもうひとつ感心したのが、PDKの出来のよさと、新4WDシステムPTMとの相性のよさだった。例の“エアポートレース”では僕はPDKをDレンジに入れたまま、敢えてマニュアルシフトしないで走ったのだが、PDKは速く走るのに最適のギアを常に選び続けて、僕のドライビングを完璧にサポートしてくれた。RRのカレラ系ではMTを選ぶ手もあるぞと思った僕だが、カレラ4系だったら断然PDKがいいと思った。たとえステアリングのシフトスイッチの操作ロジックが気に入らなかったとしても、である。

ポルシェは997後期型で、高性能スポーツGTの基準をまた確実に高めた。なかでもポルシェの底力を感じさせることのひとつが、カレラ4&4SとPDKの組み合わせにおけるセッティングの妙で、そこに僕は開発陣のエンジニア魂を見た思いがしたのだった。

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