チョイ乗り派の選択肢 未来を走るスマートed
掲載 更新 carview! 文:まるも 亜希子 /写真:中野 英幸
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全長がたった2.7mのマイクロボディに、大人2人がゆったり乗れて荷物も積めるシティコミューターというスマートの発想は、交通渋滞や石油枯渇といったものが社会問題化し始めた1970年代から、すでにメルセデスで研究されており、その中に電気自動車の構想も入っていたという。だから1998年に欧州でガソリンモデルのスマートがデビューした時には、このスマート・フォーツーedという姿も描かれていたことになる。
電気自動車の性能の鍵を握るバッテリーが加速度的に進化して、ハイブリッド車でも効率のいいリチウムイオン電池が使われるようになっている今、やっぱりスマート・フォーツーedも小型のリチウムイオン電池を床下に搭載している。車両重量は950kgと、スマート・フォーツー・クーペmhdより100kgちょっと重くなるものの、少しサイズの大きい三菱アイミーブはさらに100kg重い1070kg。そう考えると電気自動車の中では軽量と言ってよさそうだ。
EVシステムによって発揮されるパワーは、最高出力74ps/最大トルク130Nmだ。出力は軽自動車に毛が生えた程度でも、トルクは2倍以上。しかも、アクセルを踏んだ瞬間からフルトルクが引き出せるのが、電気自動車のいいところ。スマート・フォーツーedの場合は、0km/h~60km/hがわずか4.8秒という劇的な加速力を持っている。
そして、気になるのは1回の充電でどれぐらい走れるかという航続距離だが、JC08モードで181kmとなっている。電気自動車は天候や道路状況などに航続距離が影響されやすいので、もちろんこの距離が毎回達成できるなんてことはない。けれど、1日に自分が何kmくらい走っているかを冷静に考えてみると、どうだろう。国土交通省の統計では、日本のユーザーの1日あたりの走行距離は20km以下が過半数を占めるらしい。その程度なら、1週間以上充電しなくてもいいことになる。短距離用と割り切っていながら、なかなか立派な航続距離を持っているのが、スマート・フォーツーedだ。
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