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チョイ乗り派の選択肢 未来を走るスマートed

不安感はなく、ワクワク感がいっぱい

試乗したのは横浜のみなとみらい近辺で、ショッピングモールの地下駐車場にある充電設備で充電。携帯電話となんら変わらず、コンセントをボディにある充電口にカチッと差し込むだけだ。メルセデスでは、電気自動車はあくまでシティコミューターとしての役割が適しているという考え方のため、急速充電には対応していない。200Vの電源で約8時間でフル充電になる。だから、日産リーフのようにいつでもどこでも1台でこなすというよりは、ファーストカーとして他に1台持っていて、長距離ドライブはそちらでこなし、普段の買物や送り迎えなど、チョイ乗りにスマート・フォーツーedを使う。そんなライフスタイルがちょうどいいと感じる。

ただ、乗ってみるとそんなチョイ乗りではもったいないと思えてしまうところが、さすがは欧州車。まず発進からスカッとするような爽快感があり、でもバッテリー搭載によって低重心になっているボディは、ガッシリとした接地感でとても安定している。「ココだ!」と思ったところでアクセルを強めに踏むと、瞬間的にグイッと力強い加速フィールが味わえるから、その気持ち良さに病み付き状態だ。

また、カーブでもキュキュッと小さく小気味よく曲がれるのは、カート感覚。全高が高そうに見えても、近頃のハイトワゴン系軽自動車より低い1540mmということもあって、グラリとくる不安感はまったくない。そして圧巻は高速道路でのビタッとした直進安定性と、追い越し加速の気持ち良さ。街乗り向けだと思っていても、ついつい遠出したくなってしまいそうなワクワク感があった。

昨年、袖ヶ浦サーキットで開催されたEVレースに、このスマート・フォーツーedを駆ってサーキット走行を楽しむメルセデス・ベンツ日本の社長、副社長の姿があったが、新世代のスポーツカーとしてもEVは魅力的。とくにスマート・フォーツーedは街中でもすでに楽しいのだから、腕次第で新たな境地を開拓できそうだ。

スマート・フォーツーedは、他の電気自動車と比べると、2人乗りで普通充電のみの対応という制限はある。あるけれど、コスト面を長いスパンで見ていくと、急速充電は1回500円という利用料金になる可能性が濃厚という中で、スマート・フォーツーedの1回のフル充電は、約208円という試算だ。しかも普通充電の方がバッテリーに優しく、性能劣化への影響が小さいため、クルマそのものも長く乗れるだろう。そして何より、世界のメルセデスブランドであり、個性的なデザインや安全性、走りの楽しさといった点も高く評価できる。経済性を含め、そうしたトータルバランスで見ていくと、スマート・フォーツーedは選ぶ価値のある1台だろう。

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