EV検討中だがテスラではない…という人に勧めたい「ID.4」の推しポイントとは?
掲載 更新 carview! 文:伊達軍曹/写真:市 健治 20
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それではさっそく県道や国道、高速道路などで試乗してみよう……と思ったが、その前に、せっかくだから内外装デザインもじっくり眺めてみることとする。
良くも悪くも「普通に上品」といった感じだ。EVというと、なぜか未来的で先進的(風な)内外装デザインが採用される場合も多いが、ID.4は内外装ともに過剰な未来っぽさは訴求されていない。
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そのため、仮にいっさいの予備知識なしでこの車を初めて見たならば「……フォルクスワーゲンが“ゴルフ”ベースの新しいSUVでも作ったのかな?」ぐらいに思うだろう。いかにもな未来感がお好きな人には物足らないかもしれないが、そういった部分に特に興味はない筆者としては「これぐらいがむしろちょうどいい」と感じる。もちろん、このあたりは人それぞれだろうが。
そして走り出してみても「普通に上品」という印象は変わらない。
EVというと、電気モーターならではの特性でもってガツンと猛烈な加速をカマせるモデルも多いが、ID.4 Liteの出力特性は非常に穏やかだ。いやモーター駆動車なので十分にパワフルではあるのだが、ガツンとくるのではなくジワッと、エンジン車を普通に運転する場合に近い感覚で加速していくため、何やら「穏やかである」と感じられるのだ。このあたりも好みは人それぞれで、ガツンとエレキな超加速を楽しみたい人もいるだろうし、そうでない人もいるだろう。筆者個人は、どちらかといえば後者寄りである。
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コーナリングや減速フィール、乗り心地なども然りで、普通に上品である。「特筆すべき部分はない」と言ってしまうと何やらけなしているように聞こえるかもしれないが、すべての動きが「普通にいい感じ」であり、運転中の視界に入るインテリアの質感とデザイン、そして腰と背中で感じるシートのつくりも「普通にいい感じ」であるため、何かを特筆する必要性を感じないのだ。ID.4 Liteは、上手な脚本家が台本を書き、一流のベテラン監督が指揮を取ったホームドラマのように「ひっかかる部分」がどこにもない車だと言える。
とはいえこれも良し悪しであり、車というものに「何らかのひっかかり」を求め、そのひっかかりこそが美点あるいは個性であると考える人も少なくないのかもしれない。
WLTCモードによる一充電走行距離を限界近くまで試してみる余裕はなかったため、実際の航続可能距離はわからない。とはいえ経験と勘ピュータに基づいて言うなら「300kmぐらいは普通に走るが、それ以降は冷や汗が出てくる」という感じだろうか? わからないが、当たらずといえども遠からずではないかと推測する。
そしてこのあたりのとらえ方もまた、人それぞれである。「もしも確実に走れるのが300kmだとしたならば、そんなのぜんぜん足りないよ!」という人もいらっしゃるだろうし、「そのぐらいでも、自分の場合は普通に十分」という人もいらっしゃろう。車の使い方も人生も、いろいろである。
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