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ポルシェ911、カブリオレと同価格の「タルガ」がさりげなくカッコいい

リアに大きなガラスセクションがあり、太い“タルガ・バー”から前方のルーフ部分が開閉する特殊なオープンスタイルを持つ「911タルガ」は、カブリオレのような派手さや分かりやすさとはまた違った、さりげなくカッコいい、ルックス抜群の1台だ。

スタイル的にはクーペとカブリオレの中間に位置するタルガだが、価格的には中間というわけにはいかずにカブリオレとまったく同じ。たとえば最上級モデル「GTS」の場合は、クーペの「カレラ4 GTS」が1888万円、「タルガ4 GTS」と「カレラ4 GTS カブリオレ」が2154万円という設定になっている。

ちなみにタルガシリーズは、「タルガ4」と「タルガ4S」、昨年3月に追加された「タルガ4 GTS」の3グレードで構成。いずれもトランスミッションと駆動方式は7段PDKと4WDの組み合わせとなっていて、7段MTやRRは用意されていない。

多士済々なモデルが揃うJAIA試乗会でも、さりげなく存在感を発揮していた911タルガ4 GTS。約20秒をかけて電動ルーフが開閉する様は、まるでフィギュアスケーターやバレリーナの美しくしなやかな演技を見ているようで、外から見ている分には20秒があっという間に感じられる。もちろんルーフが開閉する様子を運転席から見ることはできないし、停車時のみしか操作できないという不便さもある。とはいえ、カブリオレよりも気軽にオープンエアを楽しめて、オープン時に必要以上の注目を浴びることもなく、開けても閉めても同じように美しいスタイルをキープするタルガの存在価値は大きい。


(ルーフの開閉シーンは動画の中盤とエンディングに登場)

ルーフ開口部が小さいことのメリットは、走り出してからも次々に浮かび上がってくる。風の巻き込みは少なく快適で、遮音性にも秀で、ボディ剛性への影響も最小限。ちょっとワインディングを攻めたぐらいでは、ポルシェのハイライトである走りの純度が薄まるアラさえ見つからないだろう。

GTSの心臓部に搭載される3.0L水平対向6気筒ツインターボは、「4S」を+30ps/+50Nm上回る450ps/550Nmを発生。0-100km/hは0.3秒速い3.7秒、80-120km/hは0.2秒速い2.3秒をマークしている。淀みのない吹けあがりにターボラグは皆無で、どこからでも思いのままの加速が味わえる。

そのほか、GTS専用として可動式のリアスポイラーやスポーツエクゾーストの黒いツインテールパイプ、スモーク処理が施されたテールライトなどを装備。通常はシルバーのタルガ・バーはGTSのみ黒くペイントされ、他との違いを主張する。またPASM(ポルシェ・アクティブ・サスペンション・マネジメント)やスポーツクロノパッケージなども標準装備となる。

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