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アウディA4試乗。FFかクワトロか、導き出された答えにあのモデルの存在

絶対評価としては素晴らしいモデルだが…

プレミアムブランドを選ぶ理由のひとつに、ベーシックモデルを選んでも、主要な安全装備が標準かオプションで用意されていることが挙げられる。A4の場合も、衝突軽減ブレーキの「アウディプレセンスシティ」が全グレードで標準装備される。

とはいえ、せっかく現行アウディ車で最も先進的な安全装備を誇るA4を選ぶなら、テスト車にも装着されていた43万円のオプション「セーフティパッケージ」を、高くても選ぶべき。これにはトラフィックジャム機能(渋滞時など低速でステアリングアシストしてくれる)付きACC、アクティブレーンアシスト(60km/h以上での車線維持アシスト)、アウディプレセンスリア(接近する後続車を検知すると衝突に備え、ハザードランプを点滅させ、シートを適切な位置に合わせ、ウインドウやガラスルーフを閉める)、アウディサイドアシスト(斜め広後方からの車両接近を警告)、リアサイドエアバッグ、サラウンドビューカメラなどが含まれる。

ただし、A4アバントは、FWDの1.4TFSI スポーツだと、VWパサートヴァリアント TSIハイライン(463万9000円)と比較して、サイズはほぼ一緒、パワートレーンはまったく同じということになる。加えて、このTSIハイラインには、アウディのセーフティパッケージに含まれる装備のうち、トラフィックジャム機能付きACCやアクティブレーンアシスト、それにアウディサイドアシストやリアサイドエアバッグと同様の装備が“標準”で備わる。

こういう風に理詰めでスペックだけを比べると、たいていプレミアムブランドは不利になると相場が決まっている。けれど、プレミアムブランドは内外装によい素材が用いられ、丁寧につくり込まれている……というパターンの記事をこれまで多数書いてきたし、読んでもきた気がする。ただし、現行パサートについて言えば、内外装ともに品質は相当高く、静粛性も高いレベルを実現している。コストパフォーマンスが高いのはパサートヴァリアントだろう。

一方、どちらがモテるか? これは性能や装備では決まらない。モテるかどうかなんてどうでもよいようでいて、それがそうでもない。リセールバリューというのは、目に見えず理屈で説明できない“印象”も加味されて決まるからだ。買うときにはアウディが割高に思えるが、売るときにはそれを取り戻せる可能性も十分にある。

などといろいろなことに思いをはせてみたものの、アウディA4アバント 1.4TFSI スポーツそのものにまったく罪はなく、絶対評価としては素晴らしいモデルだが、パサートがあるにもかかわらずわざわざA4を選ぶなら、アウディでしか得られないクワトロモデルを選んでみたいという結論に達した。

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