デリカミニは次期デリカD:5の布石? 幻のデリカD:3ほかデリカシリーズまとめ
掲載 carview! 文:山本 晋也/写真:三菱自動車 40
掲載 carview! 文:山本 晋也/写真:三菱自動車 40
東京オートサロン2023で初公開された新しい軽スーパーハイトワゴン「デリカミニ」にヒットの予感です。発売予定は5月ですが、2週間強で4000台の受注を集めるなど、はやくも熱狂的なファンを生み出している模様。
「デリカ」という伝統のブランドがもつミニバンとSUVのクロスオーバーという独自のキャラクターを上手にスタイルで表現していることが、デリカミニの好スタートにつながった理由のひとつでしょう。
デリカミニのフロントマスクは丸目を表現したヘッドライトのシグネチャーと、三菱車に共通するダイナミックシールドを組みあわせたものです。この絶妙なバランスもデリカミニの魅力です。
<上の写真:デリカミニ>
じつはデリカというのは異型ヘッドライトが長らく使われていて、丸目ヘッドライトの採用は2代目デリカに登場した最初の「デリカスターワゴン」まで遡る必要があります。逆にそれがデリカという名前が持つヘリテージを感じさせてくれているのかもしれません。
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<上の写真:2代目デリカスターワゴン、1986年~>
<上の写真:デリカスペースギア、1994年~>
さて、三菱自動車には「デリカ」を冠するモデルが現行ラインナップでは2車種あります。「デリカスターワゴン」~「デリカスペースギア」から続くデリカシリーズ直系の「デリカD:5」と、プチバンの「デリカD:2」です。
デリカD:5は2007年に誕生した長寿モデルです。現在は2.2Lディーゼルと4WDを組み合わせたパワートレインだけの設定となり、SUVとミニバンのクロスオーバーモデルであることを強くアピールしているのが特徴です。
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通常のヘッドライトにあたる部分にはシャープなシグネチャーを置き、バンパー部分にヘッドライトユニットを埋め込んだデザインは独特。押し出しのあるフロントグリルも時代のトレンドといえます。このフロントマスクに変更されたのは2019年のことですが、このフェイスリフトが秀逸だったこともあって古さを感じさせません。
<上の写真:デリカD:5(現行モデル)>
<上の写真:デリカD:5(MC前モデル)>
一方、次男坊にあたるのがデリカD:2です。こちらは見ての通り、スズキからプチバン「ソリオ」のOEM供給を受けた姉妹車。最小限のバッジ変更などでデリカを感じさせる部分はあまりありませんが、スライドドアはデリカに欠かせないということを示しています。
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<上の写真:デリカD:2>
過去には「デリカD:3」というD:2よりもサイズの大きいモデルもラインナップしていました。D:3は日産から「NV200バネット」のOEM供給を受けて生まれたモデルで、そのエンジンは1.6Lクラスでした。これもバッジエンジニアリングによる姉妹車でしたので、SUVとミニバンのクロスオーバー的な部分はあまり感じさせないスタイリングでしたが、やはりスライドドアの車両であることは共通でした。
<上の写真:アウトランダーPHEV>
新しく軽スーパーハイトワゴンとして誕生するデリカミニは「デリカD:1」という名前が自然だったともいえますが、軽自動車ユーザーの好みや、過去に「パジェロミニ」という軽クロカン4WDを販売していたという歴史を踏まえて「デリカミニ」という名前になったということです。
いずれにしても、現在のデリカ・ファミリーは、スライドドアかつボンネットがちゃんとあるフォルムであることが共通点となっています。
次期デリカD:5では三菱のお家芸ともいえるPHEVシステムの採用を期待する声も大きいようです。アウトランダーPHEVやエクリプスクロスPHEVのオフロード性能を考えると、デリカというブランドにふさわしい走破性を実現することは確実でしょう。
またデリカミニは、軽EVであるeKクロスEVと基本プラットフォームが共通といえます。デリカファミリーは電動化時代になっても生き残ることも期待できるのです。
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<おわり>
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