トヨタ ヴォクシー 推しはガソリン車だが、設計が新しいライバルたちも比較検討したい
掲載 carview! 文:伊達軍曹/写真:トヨタ自動車 148
掲載 carview! 文:伊達軍曹/写真:トヨタ自動車 148
さまざまなグレードがあるトヨタ ヴォクシーの中からどれを選べば良いのか? という問題については、まずは「ハイブリッドにするのか? それともガソリン車にするか?」という点を決めなければなりません。
結論としては「人それぞれのお好みで……」ということになるわけですが、基本的には、年間走行距離が1万km以内ぐらいである場合はガソリン車を選んだほうが高コスパとなるでしょう。
7人乗り仕様同士で燃費を比べますと、ガソリン車がWLTCモードで13.2km/Lであるのに対し、ハイブリッドは19.0km/Lと明らかに優勢です。
しかしヴォクシーの場合、ガソリン車とハイブリッド車の価格差は50万円以上(正確には50万2700円)。この価格差を燃料代で取り戻すのは至難の業です。もちろん乗り味やパワー、あるいは哲学などの観点からハイブリッドを選びたいのであれば止めませんが、普通に考えればガソリン車がお得であると思われます。
そのうえでのグレード選択は、モデル末期ゆえにけっこう限定されてきます。
ガソリン車の場合は、「ZS」というグレードの7人乗りにするか8人乗りにするか。あるいは「ZS“煌(きらめき)III”」という特別仕様車の、同じく7人乗りにするか8人乗りにするかしかありません(このほかにZS“GR SPORT”というグレードもあるのですが、やや特殊なため、ここではすみませんが割愛します)。
7人乗りの場合、車両価格はZSの2WDが284万4600円で、ZS“煌(きらめき)III”が294万300円。特別仕様車のほうは9万5700円高いわけですが、その分、内外装の随所には車名どおり「きらめき」が演出されていますし、専用シート表皮や合成皮革巻きのドアトリムオーナメント、LEDのルームランプ等々も装備されています。
そういった「きらめき成分」がお好きな人であれば、ZS“煌(きらめき)III”は十分リーズナブルな特別仕様車だと言えるでしょう。ただしそういったものに特に興味がないのであれば、通常グレードの「ZS」でも十分です。
トヨタ ヴォクシーのライバルとなるのは、同じ5ナンバーサイズのミニバンである「日産 セレナ」と「ホンダ ステップワゴン」でしょう。
正直、それらライバルは設計年次が新しいため先進安全装備は充実していますし(ヴォクシーにはないACCが用意されている)、乗り味的にも上かもしれません。またヴォクシーはモデル末期ゆえ、各種の性能がより向上した新型が近々登場するはずです。
そう考えると今、トヨタ ヴォクシーを積極的に選ぶ意義はさほどありません。しかしモデル末期であるがゆえに、もしも「値引き」がかなり大きいのであれば、あえて選ぶ意味はあるでしょう。
最終的な値引き額を考慮したうえで、ライバルと比較してみてください。
>>次のページ:スペック例
※このページの写真:ヴォクシー 特別仕様車 ZS“煌 III”(ガソリン車・7人乗り・2WD)
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