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スペーシア カスタムのオススメグレードは?

標準モデルか、カスタムか、ターボか?

そして、気になるのは走行フィールだ。いくら空間が豊かでも、車重が重くて重心が高い設計は走りに悪影響を及ぼしやすい。その点、スペーシアの走りのハイライトは高張力鋼板をボディの40%以上も用いた軽量高剛性ボディと軽快な加速特性だ。ライバルとなるN BOX+の車重は1000kg前後、2代目タントは900kg台後半なのに対し、スペーシアは860kg~950kg程度で最も軽い。

また、ターボというと、ひと昔前はパフォーマンス志向で燃費が悪いイメージがあったが、スペーシア カスタムのターボ(FF)は前身モデルとなるパレットと比べて38%も燃費が改善している。実用燃費に優れていることは、走り出せばすぐに実感できるものだ。青信号のスタートダッシュでは、アクセルペダルが半開程度で充分な車速に達し、あとは惰性で車速を維持できる。60km/hの高速巡航は1500rpm程度でOKだ。リズミカルに走って低燃費なのは理にかなっているし、何よりもスーパーハイトワゴンで爽快な走りが楽しめる点では、ライバルと比べて圧倒的に気持ちいい。

その秘密は車重の軽さだけでなく、電装品に使う電力を燃料カット時にあらかじめ発電&充電をしておけるエネチャージが採用されているから。つまり『ここぞ!』という場面でパワーロスを招きにくく、効率的に力が引き出せるというワケだ。また、車重は軽いが、ボディがしっかりしているおかげで、結果的に足元が路面を捉えやすく、ギャップで跳ね返されるようなこともない。落ち着いた乗り心地が得られる点でも、ファミリーカーに相応しい。

さらに、標準モデルのターボは14インチタイヤなのに対し、カスタムのターボは15インチを装着している。足回りのセッティングは両者同じ設定なのだそうだが、路面の継ぎ目の乗り越えはカスタムの15インチが好感触だ。標準モデルは耳障りなロードノイズや荒れた路面でのゴロつきが気になったが、カスタムの15インチはたわみが少ないタイヤを装着しているにも関わらず、段差では差し込むような突き上げが少なく、街乗りの身のこなしが滑らかでむしろ疲れにくい印象を受けた。よく見ると、14インチは指定空気圧が280kPaで市販車としてはかなり高めなのに対し、15インチのカスタムは240kPaと低めの設定。快適性を求めるなら、圧倒的にカスタムの15インチをオススメしたい。

ともあれ、カスタムのターボは162万円を超える高価な価格帯。標準モデルのターボとどちらを買うかで悩んだら、エアロパーツを装着したカスタムのクールなエクステリア、本革巻きステアリング、6スピーカー、ブレーキ性能を強化したベンチレーテッドディスクブレーキなど、『付加価値を与えた装備+快適性』と『20万円の価格差』を天秤にかけて、どちらが自分にとって譲れないかで自ずと答えは出るだろう。

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