ドイツ超高性能コンパクト対決! アウディ RS3とBMW M240i乗り比べ。暫定勝利はアウディだが…
掲載 更新 carview! 文:木村 好宏/写真:Kimura Office 127
掲載 更新 carview! 文:木村 好宏/写真:Kimura Office 127
>>アウディRS3 セダンのカタロググレードをチェックする
>>BMW 2シリーズクーペのカタロググレードをチェックする
環境配慮への動きが大きくなり、内燃機関搭載モデルの終焉に向かって時計の針が刻々と進んでいる一方で、コンパクトセグメントのパワーウォーズはますます激しくなっている。特に昨年秋に発売された「アウディ RS3 セダン」は「メルセデスAMG A45S 4マチック」の421馬力に次ぐ400馬力のパワーと、オプションのスポーツパッケージを選択すると最高速度は290km/hと、クラストップのパフォーマンスを備えている。
このAMGやアウディに対してBMWは独自のスタンスを取っている。すなわち2002(マルニ)の伝統を受け継いだ後輪駆動2ドアモデルの「2シリーズ」で対抗しているのだ。そして昨年「G42」が登場したのをチャンスに、今回そのシリーズ内でもっともホットなモデル「M240i Xドライブ クーペ」をアウディRS3と比較テストを行うことにした。
<価格>アウディ RS3 セダン:818万円
BMW M240i Xドライブ クーペ:758万円
>>アウディRS3 セダンのカタロググレードをチェックする
>>BMW 2シリーズクーペのカタロググレードをチェックする
キャラミグリーンと名付けられたショッキングなカラーにギョッとするような大型のシングルフレームグリルで登場したアウディRS3 セダンに対して、サンダーナイトメタリックという深いバイオレットブルーのM240i Xドライブ クーペは、ロングノーズ&ショートデッキの古典的、典型的な後輪駆動のプロポーションをもっている。キドニーグリルも新しい「4シリーズ」のような巨大なデザインではなく、控えめで好ましい。
装着タイヤは共に19インチでスポーティな安定感を見せているが、アウディの方が若干扁平率は高い。またBMWがマルニから続く伝統的なプロポーションに固執しているのに対して、アウディは前後の短いオーバーハングに大きめのキャビンをもつ4ドアセダンスタイルを選択している。ここで明らかなのは、4ドアボディのアウディの方が利便性や汎用性が高く、ファミリーフレンドリーであるということだろう。
>>アウディRS3 セダンのカタロググレードをチェックする
>>BMW 2シリーズクーペのカタロググレードをチェックする
インテリアは共にフルデジタル化されているが、アウディはドライバー正面のコックピットとダッシュボード中央にタッチスクリーンがレイアウトされている。一方、BMWは最新のオペレーティングシステム8を搭載、ドライバー正面いっぱいにカーブドディスプレイが広がっている。操作性に関しては、BMWは初めてだと一瞬戸惑う。ただし、一度慣れれば探したいアイテムには正しく引っ張り出せるし、最初は違和感があった時計反対回りのタコメーターにも徐々に慣れてきた。
一方、アウディは古典的ゆえに物理スイッチなどが残されており、事前学習なしにすぐにスタートすることができた。ステアリングホイールは下部が切り取られたスポーツタイプでムードを盛り上げているが、ゴルフと同じスイッチ状のギアセレクターはちょっと興ざめだ。
>>アウディRS3 セダンのカタロググレードをチェックする
>>BMW 2シリーズクーペのカタロググレードをチェックする
BMWの操舵力、ギア比、そして路面からのフィードバックは非常に自然だ。アウディのステアフィールもBMWに勝るとも劣らないが、全体的にやや軽く、路面情報はわずかにフィルターがかかっているようなフィーリングが残る。
ともに4WDらしい操縦性ながら、RS3の方が全体的に安定感は高かった。コーナーでは新採用されたトルクスプリッターのおかげで必要に応じて後輪左右にトルクが適切に伝わり、安心してスロットルを踏めるのでクイックな脱出が可能だ。また全体的に乗り心地も、BMWより快適であった。
M240iは4WDではあるが後輪駆動のキャラクターが強く残され、コーナーでスロットルを踏み込むと後輪が外側に出ようとする。それでも最後までコントローラブルで、文字通りドライバーと一体になって駆け抜けるという感覚を楽しめる。また、ブレーキはたとえウェットな状況でも確かなペダルフィールと制動コントロール性を発揮。この点は明らかにBMWの方が良かった。
そして独特のサウンドを奏でる直列5気筒は、BMW伝統のシルキーシックスには及ばないまでも、スムーズでトルクフルなパフォーマンスを発揮してくれた。しかもテスト後の燃費チェックでRS3よりもわずかながら良い結果であった。
>>アウディRS3 セダンのカタロググレードをチェックする
>>BMW 2シリーズクーペのカタロググレードをチェックする
本当はM2の登場を待って比較すべきだったかもしれない…。こんな表現が頭をよぎったのは、最高出力にするとわずか26馬力の差であったが、トルクスプリッターなど最新のシャーシ技術を与えられたRS3のスポーツ性能が、思った以上にM240iを超えていたためだ。
それに、2シリーズは2ドアクーペというライフスタイル重視のボディ形状であるため、4ドアのRS3と比べると、乗降性とリアキャビンの快適性で一層のハンディキャップが際立ってしまう。
ただし価格はM240i Xドライブ クーペの方が60万円以上も安い。すなわち差額で輸入高級腕時計が1本買えるほどである。
一方、絶対的な性能差に関しても法定最高速度が100km/hの日本の道路事情を考えると、日常ドライブではほとんど意味をなさない。それでも内に秘めるパフォーマンス、そしてハイテクフリークへのアピールという点において、アウディ RS3は間違いのない選択肢である。ただしそれは新しい「BMW M2」が来るまでの暫定結果と考えるべきかもしれない。
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
高速道路のトンネル壁面に「青い線」が増加中 これは一体…? 実は“もっとデカいモノ”が無くなっていた!
オヤジ世代は当時 憧れた 半世紀以上前に登場した初代「セリカ リフトバック」ってどんなクルマ? そもそも“リフトバック”って何?【52年前の今日・登場】
年間“100万件”も検挙されてる!「最も多い」&「最も反則金が高額」な交通違反とは? 思わぬ「めちゃ多い違反」に要注意! 最新「交通違反ランキング」で分かる“取り締りの実態”とは!
メルセデスベンツ博物館の旧車イベント「クラシックス&コーヒー」4月13日スタート
フェルスタッペンの驚速ポールをアロンソ大絶賛「あんな事は彼にしかできない。魔法のような瞬間」|F1日本GP
スーパーカーライトの「シルビア」があった!「ハチロク」に間違われる日産S12型「シルビア ハッチバック」は300馬力のフルチューン仕様
【写真蔵】ヒョンデが日本で発売する4車種目の電気自動車「インスター」
【2台でGO!!】ロングツーリングで浮き彫りに!? ドゥカティ「モンスター」と「スクランブラー」の魅力
日本に「戦車」は本当に必須なのか? 防衛省も認める削減方針に、なぜか「軍事オタク」が猛反発するワケ 海空優先vs感情論の衝突を考える
トランプは石油推し! でもイーロンマスクが政権入り! アメリカのEV動向はいまだ不透明のまま
世界限定20台のメルセデス・ベンツGクラス特別仕様車「Mercedes-Benz G-Class Past II Future」の日本割り当ては4台
今、最もピュアなスーパーカー、マクラーレンの話【新米編集長コラム#26】
【名車がカギ】ホンダが「プレリュード」なら日産は…ブランド復活に必要な過去のヒット車はどれ?
マツダが新型電動SUVのティザーを中国で公開。発電用1.5Lエンジン搭載版も用意、名称は「EZ-60」か
【覚えてますか?】荷室に“専用バイク”を搭載する「シティ」はホンダの天才的発想から生まれたコンパクトカー
【クルマ離れは本当か】若者はクルマの興味を失ってはいないが、所有や残価ローンの考え方が合理的
【放置は危険です】黄砂と花粉の季節は早めの洗車を。ただの汚れと思うなかれ…放置すると大ダメージに
「クラウンエステート」早くも受注停止。HVとPHEVは175万円差、買うならどっちがお得?
【震えて待て】アルファード中古価格の下落が止まらない。ローン終了と増産で次なる下値待ったなし
【先行公開】今秋登場の「GRカローラ」26年仕様はトルク&シャシー性能向上。巨大ウイングはGRMNの証?
【独自】フィアット「ムルティプラ」復活!? 「史上最も醜い車」は“エスティマ風”未来的デザインで26年公開か
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!