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トヨタがいよいよ自動ブレーキ搭載へ。その実力は?

トヨタがいよいよ自動ブレーキ搭載へ。その実力は?

トヨタ自動車の吉田守孝CSTO(チーフ・セーフティー・テクノロジー・オフィサー)

自動運転技術が進化してもスタンスは「ドライバー主権」

この日の会見では、市場でのシェアを考えれば、トヨタの予防安全デバイス装着のペースは控えめではないかという意見も出た。これに対して、同社の吉田守孝CSTO(チーフ・セーフティー・テクノロジー・オフィサー)は「時間を要しているのは確かだが、精度の高い製品を提供するため」と回答。完全自動運転については「車両だけで成り立つ自律型の段階では、自動車専用道路から導入を始めることになるだろう。不確定要素の多い一般道は道路インフラとの協調制御が不可欠だと考える。また、将来いかに自動運転技術が進化しようとも、弊社の基本スタンスは“ドライバー主権”であり、従って事故時の責任はこの先もドライバーにあるという考え方は変わらない」との見解を示した。

衝突の回避あるいは被害軽減を図る自動ブレーキ、全車速に対応する追従型クルーズコントロール、白線を認識して車線逸脱を警告するにとどまらずステアリング操作をアシストしてくれるシステム、車線変更時に斜め後方の車両の有無を検知するシステムなど、既に現在の市販車には車両の周囲ほぼ360度をセンシングして運転を支援するシステムが実用化されており、技術的にはほぼ可能な完全自動運転を法律で制限している状態にある。さらに今後、路車間、車車間で情報を通信するようになれば、自動化の範囲を広められるし、精度も上がる。

課題は一にも二にも装備の普及だ。トヨタは今回発表した装備の一部については後付け装着も検討しているというが、多くは車両の中枢をつかさどる部分で制御する装備のため、新車への装備が基本となるはず。そのため、普及させるには今後販売する1車種でも多くのモデルに装備することが重要。それだけに今回トヨタがコストの異なる2種類の予防安全パッケージを用意し、早期にほぼ全車へ装備しようとしていることの意義は大きい。

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