改良版メルセデスCクラスのマイルドHVは街中での快適性に優れるが気になる要素も
掲載 更新 carview! 文:五味 康隆 /写真:菊池 貴之
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まず走り出してすぐに、乗り心地が良くなったことに気がつく。電子制御ダンパーのアダプティブダンピングシステムの効果など、サスペンション周りの細かな変更も関係するだろうが、最も効いているのがランフラットタイヤの廃止。ランフラットタイヤとは、欧州の高級車を中心に採用が高まっているパンクしても一定距離を走れるタイヤのことだ。
スペアタイヤが要らないので、スペース効率が上がり、重量メリットもあり、環境にも優れ、さらにはパンクした際の安定性やパンク修理作業に伴う安全性が確保でき、グローバルで見た際には治安が良くない場所で走行不能に陥る危険性を減らせるといったメリットを持っている。その構造は、パンクなどでタイヤ内の空気の圧力が減った際には、タイヤのサイド部分で車重を支えて走れるのだが、その分だけサイドウォールが厚くなり、それが硬さを生んでしまい、乗り心地、特に低速走行時のコツコツ感を生み出していた。
ちなみに最新のランフラットタイヤは、変形しても発熱しづらいエコタイヤが使用するコンパウンド(タイヤゴム素材)でサイドウォール強化をするので、サイドウォールの厚みを抑えることができ通常タイヤの10%程度の硬さ、ちょうど1インチアップした乗り心地レベルまで達成しているが、それでも硬いのは事実。そこでメルセデス・ベンツ日本は独自に、24時間のロードサービス体制が整っているなどの日本のクルマ事情を踏まえて、通常タイヤにすることを選択した。
個人的には、パンクして高速道路の路肩にクルマを寄せてサービスを待つ間にも危険はあるし、パンクしても安全な場所や目的地までは到達できるランフラットの利便性が魅力としてあるので、選択できるようになれば理想とも思う。ちなみに乗り心地の改善効果はかなりある。セダン、ワゴンのC180(エントリーモデル)と、クーペ、カブリオレのC180スポーツの19インチだけは継続してランフラットになり、そちらも試乗したが街中でのコツコツ感が大きく違っていた。何を優先するかは人それぞれだが、グレード選びの一つの要素にしても良い大きな変更だ。
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