CX-60プロトタイプに試乗。マツダが新エンジン&車台に込めた願いとは?
掲載 更新 carview! 文:塩見 智/写真:マツダ 148
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走らせてみた。マツダの4気筒ディーゼルもライバルに対し、静粛性、制振性の面で優位だったが、新エンジンは両面でさらに進化している。直列6気筒の吹け上がりは一瞬ディーゼルであることを忘れさせる気持ちよさを感じさせた。5000rpm未満でどんどんギアアップしていくので伸びやかではないが、車速は猛烈に上がっていくので頼もしい。この加速力と触れ込み通りの燃費性能が両方得られるのなら、新しいパワートレーンは間違いなく魅力的だ。プロトタイプということでまれにATの動きがギクシャクすることがあったが、市販までにチューニングを煮詰めてくるはずだ。
続いて2.5L直4ガソリンエンジン+PHEVに試乗した。マツダ初のPHEVとなる。最高出力191ps/6000rpm、最大トルク261Nm/4000rpmのエンジンに、同175ps/5500rpm、同270Nm/4000rpmの電気モーターが組み合わせられる。ディーゼル+MHEV同様、エンジン、クラッチ、モーター、クラッチ、8速トランスミッションが直列に配置され、後輪もしくは4輪を駆動する。
システムとしての最高出力は327ps、最大トルクは500Nmと強力で、トヨタRAV4PHVや三菱アウトランダーPHEVを上回る。車重は約2100kg。駆動用のリチウムイオン・バッテリーは、総電力量17.8kWh。EV走行可能距離はグレードによって61~63km。燃費は66.7km/L(WLTC)、燃料タンクは50L(ハイオク仕様)。
電力残量が十分である限りモーター駆動を基本とするのは他社のPHVと同じ。モーター駆動である限りEV同様の静粛性とスムーズさを味わうことができる。RAV4PHVやアウトランダーPHEVがプロペラシャフトを持たず、前後それぞれにモーターを備えるの対し、CX-60は1モーターからプロペラシャフトを通じて後輪に駆動力を伝え、ATから前方へ向かって伸びるトランスファーによって前輪へも駆動力を配分する。この辺りのメカニズムの違いによって、RAV4PHVやアウトランダーPHEVはEVっぽさを、CX-60はモーター駆動ながらどこか従来のICE(内燃エンジン)っぽさを感じさせる。絶対的なパワーは十分。発進時の力強さはディーゼルと同等だが、80km/h以上のスピードの伸びは圧倒的にPHEVが上回る。
縦置きするレイアウトを採用するため、両方のパワートレーンを受け入れることができるエンジン縦置き用プラットフォームが新設された。サスペンションはフロントがダブルウィッシュボーンで、リアがマルチリンク。サスペンションの作動軸が前後で揃えられているのが最大の特徴。それによってピッチング(車両の前後がそれぞれに揺れる動き)の動きを抑え、快適な乗り心地を目指したという。
多くのクルマはピッチングセンター(前後が上下する動きの軸)がホイールベースの間のどこかに存在するが、CX-60では車両を飛び出してかなり後方にある。このため路面から入力を受けた際、ピッチングではなくバウンシング(車両全体がそろって上下する)の動きをするようにチューニングされている。また先般ロードスターに初めて採用された、コーナリング時に内輪のリフトを抑える効果があるKPC(キネマティック・ポスチャー・コントロール)も備わる。さらに前後重量配分がディーゼルで55:45、PHEVで51:49と理想的。
これらの効果が相まって、加減速時、旋回時、そしてそれらが組み合わさった動きの時、要するに走行中は常に、車両がドライバーが意図した通りに動いてくれ、運転が非常に楽しい。
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