ボクスター次期型、カモフラージュ無しの全容
掲載 更新 carview! 写真:Kimura Office
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ポルシェとしては手頃な価格を持った2シーター・ミッドシップ・オープンスポーツとして、1996年の初代デビュー以来高い人気を博している、ポルシェの文字通りのエントリーモデル、ボクスター/ボクスターSがフルモデルチェンジした。
一見して新型911やパナメーラとの共通性を感じさせるデザインに仕立てられた3世代目となる新型ボクスター/ボクスターSは、完全新設計の軽量ボディを採用している。また、先代よりホイールベースおよびトレッドが拡大され、さらにスポーティで力強いスタイリングを手に入れた。加えて電動パワーステアリングを新たに採用し、燃費が改善されると同時にミッドシップ・スポーツカーとして最高レベルのダイナミック性能を手に入れている。
キャビンはウインドースクリーンを前方に移動させたことで、先代よりも広々とした空間を実現している。ソフトトップは完全新設計で、オープン時にはトノカバー無しでもスッキリと格納される。インテリアは、カレラGTに由来する、前方から後方へ向かって傾斜した人間工学的に優れた形状のセンターコンソールを採用した。
パワーユニットは、ベーシックモデルのボクスターが最高出力195kW(265ps)の2.7リッター水平対向6気筒、ボクスターSは232kW(315ps)を発揮する3.4リッター水平対向6気筒で、どちらも直噴エンジンとなっている。ボクスターの2.7リッターは、先代の2.9リッターからダウンサイジング(小排気量化)されたにもかかわらず、10psのパワーアップを達成している。ボクスターSの方は排気量が変わらないにも関わらず5psの出力向上を果たしている。
トランスミッションは、ボクスター/ボクスターSともに6MTと7段デュアルクラッチ式ATのPDKが用意される。0-100km/h加速は、ボクスターが5.7秒、ボクスターSは5.0秒で、それぞれ先代から0.1秒、0.2秒短縮された。ちなみに加速性能は、先代と同様にPDK車が6MT車を上回っている。
さらにダイナミックな走りを求める向きには、スポーツクロノパッケージを用意している。このパッケージには、機械式LSDとABSの統合制御により後輪左右の駆動力を最適に制御することで、より俊敏なコーナリングを実現するPTV(ポルシェ・トルク・ベクトリング)や、初採用となる「ダイナミック・ギア・ベアリング」というシステムなどが備わる。
また新型ボクスター/ボクスターSは、動力性能と同時に燃費性能も大幅に向上した。ブレーキエネルギー回生システムやスタート・ストップ機能の採用、エンジンのサーマルマネジメント最適化といった燃費改善策により、ボクスター(PDK車)は欧州テストサイクルで7.7リッター/100km(単純に日本式に表記すると12.9km/リッター)、ボクスターS(PDK車)は8.0リッター/100km(同12.5km/リッター)という、先代を最大15%も上回る優れた燃費性能を達成している。
なお、新型ボクスター/ボクスターSは、ドイツでは4月14日に発売される。ドイツ市場における価格は、19%の付加価値税込みでボクスターが4万8291ユーロ(約473万円)、ボクスターSは5万9120ユーロ(約579万円)となっている。
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