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復活した新型アルピーヌA110はまるでスキーのような軽快な走りだった

0-100km/h=4.5秒の俊足と、期待以上の軽やかさ

オールアルミ製とすることで、車重をベースモデルでわずか1080kgに抑えた新生A110の心臓は、新開発の直列4気筒1.8Lターボユニット。最高出力252ps、最大トルク320Nmを発生するこのエンジンには、7速DCTが組み合わされる。0-100km/h加速は4.5秒と俊足だ。

試乗車はアルピーヌ創設年にちなんだ1995台限定のプルミエール・エディション。室内には専用のサベルト製ワンピーススポーツシートやアルミペダルなどが備わる。室内は適度にタイトだが決して窮屈ではない。また、シート背後にはブリーフケースくらいは置けそうな隙間が確保されているし、機内持ち込みサイズのスーツケースが2個収まるフロント、レース用ヘルメットも入るリアと、ラゲッジスペースも合わせて200Lほどの容量を誇るから、デイリーユースにも十分対応してくれそうである。

テストの舞台は12月の南仏プロヴァンス地方。とは言え、さすがに朝方は冷え込み、路面は滑りやすくなっているから、慎重にスタートする…つもりだったのだが、その走りは期待通り、いや期待以上に軽やかさが際立っていて、はやる気持ちを抑えるのは容易ではなかった。何しろ、発進の瞬間に思わず「おっ!」と目を見張るくらいの軽快感は、実際の車重から想起する以上のもので、それだけでこのドライブが楽しいものになると確信させた。

フットワークは、操舵に対して何の抵抗感もなく、ひらりと向きが変わるミッドシップらしさがストレートに出ている。低速域からトルクがあり、しかも活気に満ちた吹け上がりを見せるエンジンもご機嫌。DCTの変速スピード、そして変速感自体も小気味よく、リズミカルに走ることができる。

しかも、この軽快感のために快適性が犠牲とされてはいないのが、新生A110の大きな美点だ。名前を挙げてしまえば、「アルファ・ロメオ 4C」や「ロータス エリーゼ」のようにスパルタンではなく、長距離ドライブにも十分に使える快適性がちゃんと確保されている。静粛性は高く、乗り心地もストローク感たっぷりの4輪ダブルウィッシュボーンサスペンションのおかげで、想像よりもはるかにしなやかなのである。

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