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ノア/ヴォクシーでG's 発進、その“味”とは?

今後のトヨタ車のカギを握る

それよりも不満に思ったのは内外装の仕立てだ。現状、そもそもこの手のミニバンを買って、ドレスアップを楽しみたいと思っていたユーザーにとっては買い得感もあり好評だという。しかし繰り返しになるが、それは新たなユーザーの開拓にはならないし、トヨタ自らが手掛ける仕事として、満足していい話でもないように思う。

上級を目指して、どこまでニーズがあるかを懸念してはいるようだが、ノア/ヴォクシーはともかく、今後マークXなりクラウンなりといったモデルを手掛けていくならば、現状の、古式ゆかしい日本的ドレスアップカー路線では新しい価値を産むことには繋がらないだろう。別に輸入車のようになれというのではなく、そこと現状のトヨタ的価値の間のどこかに、いい落としどころがあるのでは? と言いたいのだ。

厳しく書いたが、個人的には“G's”を含めたトヨタの「味づくり」には期待も大きい。これは、トヨタ車の走りを何とかしたいという社内の声から自然発生的に産まれたものだからだ。その意思ある限り進化、熟成は進んでいくはず。それらが支持され、実績をあげれば、トヨタ自体のクルマづくりも変わっていくに違いない。おそらく、このプロジェクトには、そんな思惑が込められているはずである。

しかし、そんな重責を担っているのだとしたら尚のこと、もっと新しい領域を攻めて、存分に腕を奮ってもらいたい。見た目も中身も、仕事のディテールだけじゃなく結果としても市井のチューナーには出来ない突き抜けたものを出していって欲しい。そして実際、そこには期待もある。前出の堀氏はこう言っていた。「ドイツ車って乗るといいでしょ? トヨタのプラットフォームで同じことができるとは思わないけれど、悪いと思ったところはどんどん直していきますから。」

実はトヨタ車の今後のカギを握っているとすら言える“G's”。長期的に見ていく必要があるが、前向きに期待はしたいとは感じられたのだ。

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